朝7時すぎ、自転車で家を出ました。めざすのは代々木公園の骨董市です。8時前に代々木公園ケヤキ並木の会場に到着です。この時期は暑くもなく、寒くもなく、いい季節です。
まずは、ざっと見ます。気になったのは中国の青銅器、ただし、共箱があり、明らかに後世に似せて作られた物です。その割に値札の付け方が、素人の私から見ても強気です。また、文様などは、よく真似てありますが、甘い感じです。これはパスですね。私のもとに、中国の漢時代の、「八稜鏡」があります。京都の泉屋博古館にある「八稜鏡」を、忠実にまじめに再現したものです。再現した方も金属加工では有名な方です。お値段も1万円もいらない金額でしたので、譲ってもらいました。
先週の東京国際フォーラムでお稲荷さんを譲っていただいたTさんのところに行きました。小塩皿や山茶碗が面白いと思いました。とりわけ山茶碗の緑色がかった自然釉が面白い。Tさんとあれこれ雑談です。話をしていると、今日から目白コレクションが開催という話が出ました。目白は我が家の近所です。30軒ほどの業者が出店しているインドアの骨董市です。その主催者の方の本を読んだことがあり、今年の4月に初めて行きました。春と秋の季節のいい時期にやっているのでしょうか。京都の業者でご夫婦でやっている業者さんから伊万里の染付の小皿を譲ってもらっています。その話をすると、Tさん、「あー、Wさんでしょう」とのこと。確かに、そのお名前です。北野天満宮の近くに店を構えています。
話ばかりしていてはTさんのお商売の邪魔になると思い、Tさんに、ご挨拶して辞去します。業者さんたちも、皆さん、ほぼ品物も並び終えたようです。70歳前後と思われるおばさまの業者さんのところに、黒い小壺がありました。手にとってみると、ズシリと重い、エッ!と思ったら、そのおばさまは、にこにこしながら、「それは鋳物でできているんですよ」とのこと。千駄木の茶人の家の整理を頼まれたところ、出てきたものだそうです。底を見ると「大由」と記されています。作者の名前だそうです。黒色のまん丸い形です。ところどころが、剥げていて、金色の地肌が見えています。根来塗の赤がはげて、黒い地肌が見えている、その趣きに似ているいと思いました。譲っていただきました。帰宅後、調べてみると、作者は「西大由」という鋳金作家の方だとわかりました。
さて、Tさんから小耳にはさんだ目白コレクションが気になります。会場はわかっていますので、昼過ぎにのぞいてみました。Tさんの言っていた京都のWさんもいらっしゃいます。1時間ほどあれこれと見て回ります。いいものばかりでいいお値段ばかりです。「貧好き骨董」の私には手のでないものばかりです。会場を一回りし、Wさんのところに戻ってきました。団子マークの小皿を1枚、わけていただきました。これは、清水六兵衛さんの小皿です。団子マークは花街のシンボルマークです。何枚か我が家にもあり、ふだん使いしています。ただし、皿の裏側は「都をどり」と書かれたものばかり。ところが、Wさんが見せてくれた小皿は、「祇園女紅場」と書かれています。たかが小皿とあなどってはいけませんね。「祇園女紅場」とは、舞妓さんや芸妓さんが、様々な習い事をする学校です。京都に住んでいたころ、ある夏の夕方、祇園界隈を散歩していたら、浴衣姿のうら若い女性の2人組が歩いていました。その歩き方や浴衣姿がさまになっているところを見ると舞妓さんか芸妓さんでしょう。後ろ姿しかみえませんでしたが、何か得した感じでした。そんなこともあり、団子マークの小皿を集めるようになりました。飾って楽しむのではなく、ふだん使いによろしいし、祇園の夏の夕方のことを思いださせてくれるんです。
Wさんが別のお客さんと話しています。「明日は25日、天神さんです」とWさん、「そや、天神さんやないですか」、新幹線なら、京都まで2時間とちょっと、では、明日は天神さんに行ってみますか・・・
如庵