今回もまた人生観が変わる旅だった
ただ前回の様に純粋に楽しめたと言う意味でなく、目を背けたくなる現実やショックを受ける光景には多々出くわした
そういった負の部分も隠すことなく、何度かに分けて日記に綴りたいと思う
写真はタイとの国境近くで撮影したカンボジアの物乞いの幼児である
しかし誰がどう見ても自分の意思で物乞い出来る歳で無い上に、勝手に逃げられないように紐で縛られているのが見えるだろうか?
明らかに誰か大人がこの子の意思を無視してやらせているのは明白である
教養のある方なら御存知であろうが、高校の世界史の教科書でも数行程度しか書かれておらず、知らない方のほうが多数派だったりするので、カンボジアが何故貧しく、この様な罪無き子がこんな惨い目に遭わなければいけないのかと言うところの説明からはじめなければいけない
1970年代までカンボジアは東南アジアの穀倉地帯、オアシスと呼ばれており、100%に近い食料自給率を達成して、米やゴムの輸出国でもあったが、70年代半ばにポル・ポト率いるクメール・ルージュが政権を掌握してからは状況が一変する
共産原理主義者であるポル・ポトは中国や旧ソ連などと同様、学者、弁護士、教師、医者、裁判官、芸術家、宗教家など知識階級層を政権の敵とみなし粛清したのである
上記職業の者に加え、大卒や留学経験のある知識階級層や政権に異を唱える者を次々に虐殺し、たった4年弱の間に当時のカンボジアの人口800万人のうち200~300万人が犠牲になり、国民3人に1人が殺されるという世界史上でも類を見ない悲劇が起きたのである
詳しく知りたい方は「ポル・ポト」や「キリング・フィールド」と言ったワードで検索してみたり、この実話を基にした映画「キリング・フィールド」を鑑賞することを勧めたい
ちなみに映画「キリング・フィールド」のDVDはTSUTAYAなどでもレンタルすることが出来る
そういった悲劇が起こり、カンボジアの経済は破綻し、一気に世界の最貧国に転落してしまったのである
カンボジアにおける内戦や虐殺の爪跡は今でも至るところで見ることが出来た
地雷が今でも埋まっている為、立ち入り禁止の看板とうっかり地雷を踏んで足を無くした多くの罪無き人たちである
テレビを通して見たら「世の中可愛そうな人もいるもんだ」で終わったが、やはり自分の目で見ると受けるショックは大きいものである
目を逸らしたくなる事実かもしれないが、これも同じアジアで現在進行形で起こっている悲劇なのであると言うことをどうか皆様にも知って頂きたい