407.雨月物語 9月13日(水) BS溝口監督作品初鑑賞。戦国時代の滋賀県で、百姓兼焼き物作りを営む家族5人の物語。柴田勝家か誰かの軍勢が来るということで、バラバラになったそれぞれを襲う悲劇。本来の雨月物語が如何なるものかは知らないが、思ったよりも楽しめた。全体的な雰囲気としては、やはり昔の日本映画という印象ではあるが、ドラマ自体としては現在にも十分通用するもので、見応えがあった。落ち武者に教われる主人公たちは完全な弱者で、そこにはなかなか現実的な視点が感じられる一方で、琵琶湖に流れる瀕死の船乗りの一言から急に幻想的な雰囲気も混じってきて、それは結果として主人公の周囲で生じる幽霊騒ぎに収束するのだが、これが最後に妻の語りに生きてくるという展開は凄い。一方弟夫婦の方は、夫婦の強烈な対比と、これは主人公夫婦にも言えることだが、女性の生命力を力強く感じさせる。子供は寝姿の演技が多いが、結構大変なのではなかろうか。最後が少し長めに感じるが、全体としては妻の夫に対する愛情が画面からひしひしと伝わってくる良い映画。夫の方が一旦良い目を見るというのも共通で、兄弟の違いは幻想と現実との差か。そこら辺はよく判らなかった。この手の音楽を聴くと、No.349『午後の網目』を思い出して、凄く浮いているような気がしてしょうがない。★★★☆☆ 良い話に美しい映像はいつでも楽しめる。雨月物語【日】 (1953年 97分)監督:溝口健二助監督:田中徳三キャスト:森雅之/京マチ子/田中絹代/小沢栄/水戸光子/毛利菊枝/羅門光三郎/上田吉二郎/香川良介/相馬幸子原作:上田秋成脚本:川口松太郎/依田義賢音楽:早坂文雄/望月太明吉/斉藤一郎撮影:宮川一夫製作:永田雅一/大映企画:辻久一配給:大映美術:伊藤熹朔衣装:吉実シマ編集:宮田味津三録音:大谷巖照明:岡本健一[照明]/太田誠一ジャンル他:tドラマ、t時代劇、t名作、t白黒、tファンタジー、t戦争、t恋愛、t女性、t映像、t原作、評価:★★★☆