アマチュア | 20031214153606

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月5本くらいを目標に・・・

940.アマチュア 6月23日(火) 映画館キェシロフスキ監督作品。妻と娘に恵まれた男が、娘を撮るために8mmカメラを手にし、頼まれて工場の祝賀会などの様子を撮っていくうちに映画にのめりこんでいく話。アマチュアとは、何か伝えたいものをとるというのではなく、自らの周囲にあるものを独自の感性で拾い上げるという立場と劇中では説明される。構造は非常にシンプルで、映画を撮ることで周囲から褒められ、映画を生業のひとつにできていくが、妻は、家族と家のある平穏だけの暮らしを求めていて、映画に傾倒する主人公に不満を抱く。主人公は自分の周囲のありのままを映したいと考えてフィルムをまわすが、徐々にそれが世界の全てではないと明らかになり、家族を失った主人公は終にカメラを自分に向け、一人語り始める。映画に関して一人の男を題材に描かれた話だが、その描かれ方は多様で、人の人生を輝かせたり、故人の思い出を残したりというプラスのものも、社会のあからさまにする必要のないものを映したり被写体と撮影者とを隔てたりというマイナスのものもある。妻が夫の撮影趣味を嫌った理由は、撮影するために被写体である娘や周囲への関わりを抑えるからだろうか。ありのままを映すには、撮影者が被写体へ関与してはいけないという意味で。妻と喧嘩別れした際に、サッと手でカメラを作って妻を観る場面、主人公の眼がレンズ越しでないと世界を観られなくなっていることを示す緊迫した場面。工場長が里山に主人公を連れ出し、自然は開かれていると諭すが、その言葉の意図も同じだろう。最後、主人公が自らにカメラを向けるが、自分の人生をレンズ越しにしか観られなくなったということか、レンズ越しに観られるものが自分だけになったということか。★★★ 男の悲劇とカメラによる主体性の変質を同時に描いた見応えのある静かな作品アマチュア(Amator)【ポーランド】 (1979年 112分)監督:クシシュトフ・キエシロフスキーキャスト:イェジ・シュトゥール/クシシュトフ・ザヌーシ原作:クシシュトフ・キエシロフスキー脚本:クシシュトフ・キエシロフスキー/イェジ・シュトゥール配給:シネカノン/ビターズ・エンドジャンル他:tドラマ、t芸術、tラスト、