推論の種類と利用p40-44
Janis(1965)内容分析のタイプ
1.実用論的内容分析:考えられる原因や影響に従って記号を分類する
例)聞き手がドイツに対し好意的な態度をもつような効果があると考えられる発話の回数を数える
2.意味論的内容分析:意味に従って記号を分類する
例)ドイツが言及された回数を数える
A.指示対象分析:特定の対象(人・事物・団体・概念)が言及された頻度
例)ドイツの外交政策への言及
B.属性分析:属性が言及された頻度
例)不誠実に関する言及
C.主張分析:一種の主題分析
例)ドイツの外交政策は不誠実である、という旨の言及
3.記号―媒体分析:記号の精神物理学的特性に従って内容を分析する
例)ドイツという語の生起頻度を数える
システムp44-48
システムとは現実の一部を記述するための概念的装置であって、以下の要素から構成される
・構成要素:その状態は変化する
・関係:構成要素間の状態の共起に対する制約としてあらわれる
・変換:これに従って、ある関係は時間空間的に別の関係を導く
Tenny(1912)
「記録それ自体を集積していくことにより、正確さにおいて合衆国気象台の統計にも比較しうる『社会的天候』を観察することになる」
Rapoport(1969)
「大量のシンボリックなデータを変化し発展する動態として記述することにどのような意味があるか、こうした集成のなかで、適切な構成要素・関係・相互作用の法則はどのようなものが考えられるか」という疑問を提起
差異:あらゆるシステム論的アプローチの主たる関心は、いかにして差異を新たな状況に組み込むか
→発信者の置かれた状況は異なる状況に生成されるメッセージに現れる差異
メッセージが向けられた聞き手における差異
インプットとアウトプットの差異
などに注目してきた
Gerbner(1969):メッセージ・システム分析
1.何が存在するのか
2.何が重要か
3.何が正しいか
4.何が何と関連しているか
コミュニケーションp61-66
コミュニケーションとは対話に参加する人の間で交換されるメッセージである
分析デザインp67-p91
分析デザインのタイプ
・データの文脈における何らかの減少を推測するための研究デザイン
・内容分析がほかのある方法の代用となりうるか否かを検査するための研究デザイン
・仮説検証のためのデザイン:内容分析の結果を、それとか独立に得られ勝つ内容分析から推論できない現象に関するデータと比較する
内容分析の要素
・データ作成
単位の設定:サンプリング単位、記録単位、文脈単位
サンプリング:観測された言語表現の連鎖のうち、たがいに独立である部分
記録:内容をある一定のカテゴリーに分類することによって特徴づけられる特定の内容部分(Holsti,1969)
Cf)文脈単位
数量化単位:出現頻度や字の大きさなどを数量化する(Holsti,1969)
・データ変換:ある場合には統計的、数学的で単に不必要な細部の除去の問題
・推論
・分析:同定されるパターンは統計的に優位なもの、または結果を説明・記述するような重要なもの
・直接的な妥当性検証
・ほかの方法との結果の一致の照合
・その他のデータに関する仮説の検証
効率性と信頼性
物理的単位は、機械的方法を必要とする
認知的操作が最小におさえられ、効率的で信頼性の高い結果が得られる
テーマ単位は、研究目的が重要な基準になるが、認知的操作の連鎖が長く、熟練者も誤りを犯す可能性がある
統語的単位の識別は、効率的で信頼性が高い場合が多いが、その後の分析は必ずしも生産的であるとは言えない。文脈単位は統語的な用語によって定義されることが多い
―つづく―