僕は「人間」が、嫌な思いをしてまでずっと働き続けるなんておかしいと思い続けてきた。
我慢が美徳、とか、石の上にも三年、とか、まじで意味不明だと思い続けてきた。
だって、地球がすべて用意してくれてるんだもん。
僕たちが嫌な思いをしなくていいように、誰もが笑って生きていけるように、すべてを整えてくれているんだもん。無償で太陽の光を与え、空気を与え、食物を与え…。そしてそれらが無限に続くように、循環の仕組みまでが整えられている。こんなに整えられた奇跡の楽園「地球」の上で、なんで苦しまなきゃいけないんだよ。絶対におかしい。僕たちは「地球の奇跡」を思い出さなきゃいけない…
 
 
そうして僕は「みっちゃんガーデン」をやっているわけですが、僕と同じような思いで活動を続けていて、僕の千歩先を進んでいるのが『減速して自由に生きる』や『次の時代を先に生きる』の著者、髙坂勝さんだ。1ヶ月ほど前に、『次の時代を先に生きる』を読み、共鳴しすぎて「こりゃ会いにいかなあかん!」と思い、この前千葉まで会いに行ってきた。
 
 
とはいえ、実際ほんとに会えるとは思っていなかった。
メールで事前にやり取りはしていたものの、髙坂さんは有名人だし、たぶんスタッフの人が対応してくれるんだろうなぁと考えていた。
 
で、約束の「道の駅多古」(千葉県の多古町という所にある)に到着。
 
本人やん。
 
 
 
めっちゃラフな格好をした髙坂さんが登場。
「ボロッちいけど、ごめんなさいね」
と言って、髙坂さんのマイカーで、髙坂さんがやっている取り組みをあちこち案内して回ってくれた。
 
 
まずは「古民家農泊 Re」。
 
 
 
築200年~300年と言われる古民家をセルフリノベーションし、宿泊できるようにしている。
 
 
 
 
ひとつひとつがいちいちオシャレで、しかも導線などもよく考えられている。
これをほぼすべて自分たちの手でやってるってんだからびっくり仰天だ。
 
↑元はただの味気のない白いコンテナも自分たちでおしゃれに改装。管理人さんが住んでいる。
 
 
み「髙坂さんって、大工じゃないですよね?なんでこんなことできるんですか?」
 
髙「いやー、元々いろいろいじるのが好きでね。あとは経験かな」
 
あっさり。
 
髙坂さんは“一億総百姓的な社会”を著書の中で訴えていたが、それを自ら実践していることをいきなり体感できて感動した。
 
↑お庭では畑と「ソーラーシェアリング」(後述)の準備も。
 
 
お次はレアな観光地を案内してもらいつつ、髙坂さんのメインの活動拠点「匝瑳市(そうさし)」へ。匝瑳市ではまず「ソーラーシェアリング」の取り組みを紹介してもらった。
 
「ソーラーシェアリング」とは、めちゃくちゃざっくり言うと、田畑の上にソーラーパネルを設置し、太陽光発電をし、その売電収入を農家さんが得るというものだ。農家さんとしては普段の農産物の収入に加え売電収入も入ってくるため暮らしに余裕ができ、同時に地球環境にとってもよいという一石二鳥の取り組みなのである。
 
 
 
 
髙坂さんはこの「ソーラーシェアリング」を手掛けているわけではなく、間接的に関わっているだけということらしいが、いずれにせよ匝瑳市は全国に先駆けてこの取り組みを実施しており、ソーラーシェアリングのモデル地区になっているそうだ。
 
間近で見学させてもらい、「パネル自体がゴミになってしまわないだろうか…」という不安がよぎったが、とりあえずパネルについては髙坂さん曰く「ほぼ100%リサイクルできる」らしく、その点に関しては安心した。ただ、やっぱり景観的には美しいとは言えず、若干のモヤモヤ感は残った。でも今の日本の現状を考えると、農家さんがゆとりを持って暮らしていくためにも、化石燃料や原発に依存しないようにしていくためにも、“ベターな選択肢”であることは間違いないのだろう。考えさせられるなぁ…(何事にも一足飛びにはいかず、一歩ずつ歩みを進めていくしかないという現実があるのは確かであり、そのことを受け入れるならば、“最善ではない”ということを知りながらも、“ベターな選択肢”を積み重ね続けていくしかないのかもしれない。僕はどこか理想主義者みたいなところがずっとあって、何かと一足飛びに理想を実現したくなるんだけど、もっと現実を見ないといけないかもしれないなぁ…とか)。
 
 
そして、次に連れて行ってもらったのが、僕が一番気になっていた、髙坂さんの「田んぼ」である。髙坂さんは長年「SOSA Project」というNPOの活動の中で田んぼの斡旋などをしており、匝瑳市はじめ田舎への移住者を増やし続けているのである。僕もずっとそういうことがしたかったのだ!僕もみんなに田舎の魅力を感じてもらいたい!自然の魅力を感じてもらいたい!それを髙坂さんはどうやって実現してきたんだ?―これが僕の今回の旅の最大の問いだった。
 
まずは畑に到着。
 
 
ふむ…。
どこかみっちゃんガーデンに似ている。
果樹もたくさん植えてあった。
髙坂さんは「食べられる森にしたい」と言っていた。ほんまそれ。
 
同じ場所に、
 
 
↑こんな小屋や、
 
 
↑こんなトイレも。
 
もちろんすべて“手作り”である。
すごすぎる。
 
髙坂さんは「簡単にできる」と言うけれど、まだまだ僕には距離がある。でも、もうちょいでそこに辿り着けそうな気がしないでもない。小屋は作ったことがないしな。でもやってみたら案外できるかもな…。
 
こうしてまたみつおは空想に耽るのである…(僕たちは“消費者”であることに慣れ過ぎてしまって、“創れる”ということを忘れてしまっているのかもしれない。現に、僕たちの先祖は家でも何でも自分たちの手で創ってきたのだ。それが、時代が進むにつれて、家の基礎を建てる人、内装をする人、外壁を塗る人…などなど細分化されてきて、“自分のできないことは他の人に任せればいいや。お金を払えばいいだけだし。お金って便利だなぁ”…って言ってるうちに、結局すべてを“お金”に任せるようになってしまって、何もできなくなってしまったのではないか。今こそ“百姓魂”を呼び戻さねば!ひとり一人が“消費者”であると同時に、“創造者”であることを思い出さねば!…)
 
 
頭の中でブツブツ言っている間に「田んぼ」に到着。
 
 
思ったより広大!
 
現在髙坂さんが管理している田んぼは約1.2haほど。だいたい学校の敷地くらいの広さである。この広さの田んぼを髙坂さんはなんと、「100組」ほどの希望者に分割し、稲作体験をさせているのである!僕も一応イベントを企画する側の人間として、100組もの人たちの管理をするのがどれだけ大変かというのは容易に想像がつく。だけど、当の本人はそんな様子は1ミリも見せず、「ただ貸してるだけだしね」といった具合である。やっぱりすごいぞこの人。変人だ。僕もよく変人扱いされるが、比べ物にならない。
 
こうして髙坂さんは、毎年100組もの人たちに「稲作」を通して田舎暮らしの魅力を伝え続け、移住者を増やし続けているのであった。髙坂さん曰く、「稲作はとってもダイナミックで、とっつきやすい。年間20日間くらい携わるだけでできちゃうからね」ということだ。ふむふむ…。稲作か。これはやらない手はない。まずは自分から始めようじゃないか。だけど、匝瑳市と西宮市の環境は違う。匝瑳市はこんな場所だ↓
 
 
見渡す限り、田んぼ。
 
 
土地柄が違う中で、全く同じことをしようとするのはナンセンスである。西宮には西宮なりの手段があるはずだ。もちろん「稲作」もできなくはないだろうが、匝瑳のようにはいかないだろう。西宮なりの「田舎暮らしに魅力を感じるきっかけ」を探し出すのが僕の使命かもしれない…
 
 
 
 
そんなことを感じつつ、この日の宿泊場所となる“Lazy Farmar’s Inn 月”という名の髙坂さんの自宅へと辿り着いた。
 
 
 
 
 
海辺に佇む素敵なおうち(お宿)。
内装もまたオシャレで魅力的だ。
もちろん髙坂さんの“自前”である。
 
 
 
 
およよ。。
だけど、ひと気がない。。
 
僕はてっきり髙坂さんの家族かスタッフが待機していて、あとは適当にほっとかれるものと思っていたが、どうやらこの家(宿)には髙坂さんしかいないっぽい。。
 
まじか…。二人きり?いいの?髙坂さんを独り占めしちゃっていいの?…
 
 
こうしてまさかの髙坂さんとの濃密な夜が始まるのであった…
 
 
 
 
 
つづく…
 
 
 

 

自然と遊ぶ。

自由に遊ぶ。

 

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