傍聴に来てくださったみなさま、インターネット中継等で視聴してくださったみなさま、本当にありがとうございました。また、質問を見てくださった方々から、とても温かいメッセージをたくさんいただきました。心より感謝いたします。
 
さて、2021年10月に発覚し「重大事案」となった西宮市内小学校で起きたいじめの件について一般質問しました。その内容がどんなものだったか?どんなやり取りがなされたのか?ということについて、できるだけ簡潔に報告したいと思います(わかりやすくするために、内容は損なわない程度に脚色します)。
 
(2022/7/1追記:西宮市議会のホームページから動画が見られるようになっていたので、リンクを貼っておきます。興味がおありの方はぜひご覧ください)

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ひぐち「まず、今回の“いじめ重大事案”の概略を示します。
  • 2021年10月14日、被害者と同じクラスの児童より担任への相談があり発覚
  • いじめられていたのは当時6年生の男子児童
  • 同じクラスの29人中26人が関与
  • 同年11月に被害児童が「適応障害」「抑うつ」の診断を受ける
  • 同月「いじめ重大事態」と認定され、本格的調査の開始
  • その調査により、いじめがエスカレートし出したのは6年生の1学期頃からだが、低・中学年の頃から悪口や陰口は共有されていたことなどがわかる
  • 2022年3月に学校と教育委員会による「調査報告書」を被害児童保護者に提出⇒被害児童保護者および代理人より不十分な点について指摘あり
  • その指摘を受け、同年5月に「調査報告書(追加)」を提出⇒そして、現在に至る…

と…。まあ本当にざっくりですが、このような経過をたどっている事案です。

で、現状として、被害児童および保護者は学校と教育委員会の対応に不満を感じ続けており、また、現在被害児童は別の自治体に引っ越し中学にかろうじて通うも、幻聴や食欲不振は未だに続いている、という状態です。

「友達には無視され、手を洗っても洗ってもバイキン扱いされ、僕が配った給食は誰も取ってくれない…。先生に相談してもまともに取り合ってくれないし…。クラスは地獄のようだった」と被害児童は語っており、保護者も自死に追い込まれていてもおかしくない状況だったと言っています。一歩間違えれば一人の大切な命が失われていたかもしれない…そういう重みを感じて対応しましたか?その苦しみを本当にわかっていましたか?あなたたちの対応からは、まったくその重みが感じられないんですよ!本児は早くからSOSを出していたのに、なぜそれを放置してしまったんですか?いじめは低・中学年の頃からくすぶっており、高学年になってからエスカレートし始めていたのに、なぜ6年生の10月まで気が付かなかったんですか?どこに問題があって、これからどうしていくのか、お答えください」
 
 
教育委員会「サインに気が付かなかったことは、学校の対応が不十分であったと言わざるを得ません。これを改善していくためには、学校全体で小さなサインを見逃さない意識を日ごろから持つことや、教職員間の風通しを良くし、気付いた情報を共有できる組織作り、教員のいじめに対する感度を向上させることが大切です。これから、組織体制の見直しや、指導のあり方、いじめの捉え方などについて、改めて指導してまいります」
 
 
ひぐち「こんな悲惨なことは二度と起こさない。そのためにできることには“本気”で取り組んでいくと、そう理解してよろしいですか?」
 
 
教育委員会「はい。そのつもりです」
 
 
 
ひぐち「本気で取り組むと言ったからには、口だけでなく行動に移してもらわなければなりません。資料に“本気”でいじめ対策に取り組んでいる自治体の例を挙げました。吹田市です。いじめの防止のためだけに、年間約1億4300万円の予算をつぎ込んでいます。吹田市でも本市と同様に「いじめ重大事態」がありまして、それを受けてこの取り組み―『すいたGRE・EN(グリーン)スクールプロジェクト』-を令和2年度から本格的に開始しています。詳細に関しては資料を見てもらえればと思うので、ぜひ“本気”の取り組みをお願いします」
 
 
ひぐち「続けて、“調査の問題”について指摘します。2022年3月14日に学校と教育委員会が作成した“いじめの調査報告書”が被害児童保護者に提出されていますが、調査の中で、被害児童本人の声が聞き取れていません。それにも関わらず、これはいじめだった、だけど、これはいじめとは言い切れないといった判定がなされています。いじめの定義って、本人が傷ついたかどうかで判断するのに、本人の声を聞かずにどうやって判定するんですか?
また、この調査報告書が提出された4日後に新たな事実が発覚しました。7月の段階で、本児がいじめを示唆することを一言日記に書いていたことがわかった…という事実です。本人の日記帳って、一番最初に調査すべきものでしょ?それがなんで調査後に出てくるんですか?
 
ここで質問します。今回の調査は、本人の聞き取りができておらず、また、調査後に重要事実が見つかるなど、不十分な調査だったと言わざるを得ません。よって、より正確に事実を把握し、今後のいじめ防止に繋げていくためにも、改めて第三者委員会による調査が必要と考えますがどうでしょうか?」
 
 
教育委員会「いじめ被害児童からの聞き取りは、必ず行うことが基本です。教育委員会としては、被害児童保護者にお会いした際に、被害児童からの聞き取りは事実を正確に知るために必要であり、聞き取りしたい旨申し出ましたが、様々な要因から聞き取りが叶いませんでした。
これまで十分に意を酌んで調査をしてきたつもりですが、被害児童保護者からのお返事によっては、第三者委員会による調査も可能であると考えています」
 
 
 
 
ひぐち「今、何て言いました?“聞き取りしたい旨申し出ましたが、様々な要因から聞き取りが叶いませんでした”って言いました?被害者家族の名誉のためにも言わせてもらいますね。あたかも“教育委員会としては聞き取りしたかったんだけど…”みたいな言い方をされてますが、実際に聞き取りを申し出たのは12月1日と16日のたった2回ですよね?しかも、決して積極的に「聞かせてください!」とは申し出てないですよね?さらにですよ、1月に入ってから本児は警察の聞き取りに応じているんですよ。まだまだ体調は不安定だったと思いますが、話ができるくらいには回復してたんですよ。その事実は当然学校も教育委員会も把握してたはずですよね?それなのに“様々な要因から聞き取りが叶いませんでした”って、あたかも被害者の方に責任があるかのような答弁をして…、完全にあなたたちの怠慢じゃないですか!!本当に聞き取りしたかったのならいくらでも聞けたでしょ!1月~3月まで2ヵ月もあったんだから!この期に及んで自らの行動を省みず、責任転嫁するような答弁は本当にいただけません!こういう態度が二重にも三重にも被害者を苦しめてるんだってことに早く気付いてくださいよ!!(怒り爆発)
 
…質問に戻ります。答弁では、保護者からのお返事によっては第三者委員会による調査も可能であるということでした。報道では“第三者委員会による調査は行わない”と報道されていましたが、それは違うということがわかりました。それで、答弁ではっきりと触れられていなかったので確認しておきたいのですが、本人が望めば今からでも本人の聞き取りを行うつもりはあるということでよろしいですか?」
 
 
教育委員会「もちろんです」
 
 
ひぐち「なるほど。でも残念ながら、本人も保護者も学校と教育委員会を信じられない状態です。なので、“聞き取りはしてほしいけども、別の人に聞き取ってほしい”という要望が被害者から出た場合、それには対応できますか?」
 
 
教育委員会「それは検討します」
 
 
ひぐち「ぜひ、本人と保護者に寄り添った対応をお願いいたします。
そして、第三者委員会による再調査を行うかどうかの最終判断は市長のほうになるかと思うので、もし被害者ご家族からの要望があった場合は、市長、しっかりとご検討をよろしくお願いいたします。
 
最後に、被害児童保護者からいただいたお手紙を読ませてもらい、私の質問を終えたいと思います。時間の都合上、エッセンスだけになりますが、保護者の思いもしっかりと受け止めてください。そしてぜひ未来へと繋げてください。
 

今回息子がこのような大きな集団いじめにあい、自死を選んでいてもおかしくない状況にありました。

 

まだ11歳の男の子が、心に病を患い、食べることも寝ることもままならない日々が続き、薬に頼りながら、毎日を生きることが彼の精一杯でした。

 

長期に渡り加害人数も多く、学年規模で、学校内で起きているいじめであるにもかかわらず、こんな状況に陥るに至るまで一体何故放置し続けたのか、教育のプロ集団の大人が一貫していじめに気付きませんでしたとおっしゃっていますが、現場の教職員の方々の発言には疑問が拭えません。

なぜ、気付けなかったかと理由をつらつらと並べられても到底受け入れることは出来ません。現場の人間であれば、職務を全うしていれば当然気付くはずだからです。

気付いていて見て見ぬふりを続けてきたのだろうと思っています。

 

 

長男の件で、本当に本当に私達家族みんなが辛い思いをしましたが、やはりそれでも、今なお、毎日子ども達を受け入れ見守ってくださっている先生方に感謝の思いは尽きません。学校に安心して子ども達を送り出したい。心からいってらっしゃいを言える日が来ることを信じたいです。

先生方には、今回の重大事態を一人ひとりが正しく受け止めていただき、子ども達の未来に還元していただきたいと切に願っています。

 

また、今回の重大事態に至った経緯とその後の対応に関して教育委員会は杜撰そのものでした。

(あまりにも杜撰すぎて)なぜ、被害者側がこんな思いを繰り返し繰り返ししなければならないのかと、多重の苦しみを負いました。

 

本来なら市民が安心して学校教育を受けられるよう、現場をサポートし、潤滑に学校運営が行われるための役割を担っているのが教育委員会であるはずなのに、全く機能しておらず、教育委員会という組織への猜疑心も憤りも抱えたまま今に至っています。

 

今後、息子のような子が現れないことを祈るばかりですが、このような杜撰な対応を続けられるようでしたら、必ずまた、西宮から被害者は生まれます。

直ちに教育委員会の在り方、対応について見直していただきたい。

まず、今回の件について問題解決に向けて真摯に動いていただきたいですし、奈良市のように、西宮市も他都市に先駆けて、いじめ問題に迅速に対応できる工夫や、子ども達自身の声を反映できるシステムを導入し、試験的に執り行っていくなど、今回のいじめを風化させることなく、子ども達の未来にいかせるようご尽力いただきたいです。

 

長々とこちらの気持ちをしたためさせていただきましたが、根底にあるのは

 

「もう誰も息子と同じ哀しみを繰り返すことのないように」という思いです。

 

子ども達一人ひとりが未来を担う西宮市の宝物です。

 

誰を守るべきか

今何をすべきか

 

決して、履き違えることのないよう

よろしくお願いします。

 
 
 
終わります。ありがとうございました」
 
 
※かなり簡略化してお伝えしました。本番では“被害児童本人の声”も紹介しています。もし関心のある方は、西宮市議会のインターネット中継のページから、全編をご覧ください。
 
 

 

自然と遊ぶ。

自由に遊ぶ。

 

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