愛が足りない - 追記あり | ミカリュス ブルガリスの心の薬箱

ミカリュス ブルガリスの心の薬箱

辛い恋とはさようなら。自分らしく幸せに生きる処方箋をフランス・パリから綴っています。

正確に言うと、愛情表現が足りなかったのだと思う。


出会った頃に比べて、ちょっとしたことで、怒りっぽくなったグランヌヌス。


私が何かのことで、ちょっとした愚痴を言うと、まるで自分が責められたみたいな反応をすることがよくあるので、ああ、なんてめんどくさい男になってきたんだろうと思っていた。


夫は10歳近く年下なのだけど、出会った頃に比べると、初々しさがなくなってきて、ああ、もっと若い男と結婚しとけばよかったと思うことさえあった。







私は、完全に相手が変わったと思っていた。

もともと、こういうひがみっぽいネガティヴな性格だったのだけど、それを見抜けなかったんだと思うまでにもなっていた。

















この週末、雨が降る中、一緒に買い物に行って、重い荷物を両手に抱えて歩いていた夫が、途中で立ち止まり、ビズ(キス)してほしいと言う。

この重い荷物を持って前に進むには、ご褒美が必要だそうだ。





めんどくさいなあと思いながら、軽くビズしてあげると、嬉しそうにまた歩き出した。




その無邪気な様子を見て、ふと思った。



夫が怒りっぽくなったのは、歳のせいでも仕事でのストレスが原因でもなくて、愛が足りなかったのだ。




正確に言うと、愛は充分あるのだけど、愛情表現が足りてなかった。




以心伝心で伝わる長年連れ添った日本人同士のカップルみたいに、一つ屋根の下に住んでいるのが愛の証、わざわざ態度や言葉に表さずにもわかりあえるというわけにはいかなかったのだ。







そういえば、毎日、仕事から帰ってくる夫を、玄関まで迎えることもなく、外部からのバイ菌がつくからと、おかえりのビズもしてあげずに、さっさとバスルームへ行って、手洗い、うがいをしてきてと、追い払うようになっていた。










彼の心と体の中の愛情貯金が枯渇してたんだということに、やっと気づいた。




男性とうまくやっていく秘訣は、男の子の子育てと同じだなあと思う。



信頼して任せる。


あれこれうるさく言わない。



でも、放任でも、無関心でもなくて、振り向いたときに、いつでも笑顔で応えてあげること。



そして、一番大事なのは、彼らが情熱を持ってやっていることを、心から尊敬して褒めてあげることだと思う。







そして、ただ思っているだけでなく、愛を言葉や行動で表してあげること。




ただ、我が家の場合、夫と息子では微妙に違っていて、ママの愛が重いよ、うるさいよ、と思っていそうな息子には、ほどほどに、愛が足りないっぽい夫には、ちょっと大袈裟くらいにやらないとなあと思う。




ふむ。


なんだかめんどくさいな。


でも、枯渇した愛情貯金が満タンになれば、ちょっとしたことで、スネたりすることもなくなって、私も楽になるしね。












母としても、妻としてもまだまだな私。



そんな全然できていない私に、褒めてもらいたくて、いつも頑張っている夫に、もう少し優しくしてあげようと思った週末のビズ事件でした。