『楽団・みかんの花10周年にあたり』(御礼) 

哀しみのすべてを雪の白が覆い隠してくれるかのような今日この頃、
皆様には益々ご健勝のことと
お慶びを申し上げます。
本楽団の活動にあたりましては平素よりお力添えの数々をいただき、
衷心より厚く御礼を申し上げます。

2001年、職場(福祉作業所)と家、その2つの生活空間しかもたない障害のある人に、
新しい社会的機会を開拓し、希望を創造できないものか
それを意図してみかんの花は誕生しました。
嬉々として集うメンバーたちはここでさまざまな体験をし、
生まれて初めてかもしれない社会的評価と、人としての誇りと、生きる自信を獲得しました。
10年前にあった不安に支配された表情は、
今の彼らには、まったくありません。
そして、この誇りと自信は、障害があることで強い阻害感と不安感の内にあった彼らが、
人として豊かで、輝かしい人生を歩み出す大きな一歩になったものと確信できるものです。

いつしか私たちは、「キセキ」という言葉を好んで使い始めました。
「自分と社会とにキセキを起こそう!!」と。
「キセキ」とは、達成されがたい事物を表わす言葉ではなく、
人の手によっていくらでも創り得ることを知ったからです。
すべての「キセキ」は、自分たちの“やりたい”と周りの“させたい”、
そして共感してくださる方々の“応援したい”という願いが集まれば、
しばしば実現できることが分かったからです。
みんなでネツをもっておもいっきりチャレンジしたらできるかもしれない
それこそが私たちの考える「キセキ」です。
「強固な意思」と「優しさ」と「共感」、
これらの複合体はいくつもの「キセキ」を生んでくれます。
私たちのメンバーのような障害のある人は、まだまだ少ないはずです。
こうした「優しさ」と「共感」の輪をもっともっと広げ、
障害のある人たちがそれぞれの希望をもって、このまちで等しく生きていける社会を夢みながら、
これからもみんなで歩んでいきたいと思っています。

私たちの活動は、けだし大多数の人々の関心の外にあるものであって、
社会の大勢から見るとまったくマイナーな活動にすぎず、
時として孤独感にさいなまれることもないではありません。
しかし、応援してくださる皆様のように、
私たちの活動に目を向けていただける方がおいでてくださることは、
心の中に大きな大きな拠り所をいただいた、そうした喜びでイッパイです。
皆様方は、私たちの「キセキ」の礎です。
今日まで、どうもありがとうございます。
これからも私たちとともに、
「キセキ」の物語の制作にご参加くださいますようお願いいたします。
Miracle goes on!!

2011年1月 
楽団・みかんの花一同
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