パウロ・コエーリョ/著 山川紘矢+山川亜希子/訳
「第五の山」 と同じく、山川さん夫妻による翻訳のパウロ・コエーリョ作品です。
時期的にはこっちの方が先かな。
スペインの小さな田舎町で暮らすピラールは、都会で幼馴染と再会して、愛を告白される。
彼は修道士となり病気を治す不思議な能力を得ていた。
共に旅をしつつも、それまでの自分の生活を捨てて彼と生きてゆく決心がつかずにいるピラール。
迷いながら、本当に信じられるものが何であるのかを探してゆきます。
変化することは怖いことだと思う。
それが周囲の環境の変化でも怖いし、自分自身が変わることはもっと怖い。
ピラールはその恐怖から逃れるために日常に満足していると自分に言い聞かせて生きてきた。
しかし、彼との再会によって、その平穏が壊されてしまう。
彼との愛を選びたいのだけれど、その先にあるであろう様々な障害を恐れて素直に喜ぶことができない。
それは彼も同じで、ピラールへの愛と、ピラールと一緒に行くことによって失われるかもしれない修道士としての未来との狭間で迷い続けていた。
男女の恋愛にはもっともありがちな葛藤ではないだろうか。
変化することは怖いことだけれど、進むべき道はその先にあるのかもしれない。
考えて見極めて勇気を出して選んだ道の先には、幸せが待っているはず。
恋愛だけでなく人生のすべてにおいて同じことが言える、ということを言いたいのだろう。
ピラールの、相手のことを想っているにもかかわらず時に身勝手で独りよがりな思い上がり・・・
ところどころ自分にも身に覚えが(笑)。
そして、乗り越えることのできる強さをピラールは得ることができたわけだ。
羨ましいかぎりですわ。
私のその時はもう過ぎたのか、今なのかこれからなのかわからないけれど、見逃さないようにしたいです。