上橋菜穂子/著
「精霊の守り人」を始めとする“守り人シリーズ”の第4弾がやっと文庫化されたので読みました。
ハードカバーやソフトカバーではすでに完結しているみたいですが、あくまで文庫を待っています。
これまでの3作品ではバルサという女性が主人公でしたが、「虚空の旅人」では第1弾「精霊の守り人」でバルサによって助けられた少年チャグムがメインとなっています。
設定は古代の日本のような世界、かな。
と言っても日本とは全く違うのですが、民俗学に明るくないのでどう表現したらいいのかしら。
モンゴルとかアイヌにも近いような気がします。
自然が神様で、そういった神がかり的なものが人々の生活だけでなく政治も左右するような世界です。
本作は、ナユーグル(海の底にあるもうひとつの世界)に魂を飲み込まれてしまった少女と、少女を利用して国を乗っ取ろうと企む呪術師の罠にはめられた青年と、その国の危機を、隣国の皇太子であるチャグムと従者で師の青年が救おうとする物語である。
はっきり言って結構複雑です。
世界観を理解することにちょっと時間がかかってしまいます。
聞いたことのない固有名詞が並んでいるし、もうひとつの世界なんて言われても・・・。
けれども著者は毎作、少々クドイくらいに丁寧に“この本の読み方”を教えてくれます。
なので、前作を読んでから時間が空いてしまった人も、シリーズの途中から読み始める人も、少し進むとあっという間に別世界に没頭できてしまうと思います。
西洋風でないファンタジーがこんなに面白いなんて!
マンガやアニメ化もされているみたいです。
確かに、そっちの方面ではよくありそうな話ですが、原作で読んだ方が楽しめると思います。
文章のみだとより想像力をかきたてられるので。
似ているな~と思った作品は、マンガになってしまうのですが、藤原カムイの「雷火」。
ライカは邪馬台国を舞台とした純粋な日本のファンタジーでした。
本作を漫画化したのも確か藤原カムイだった気がします。
ポニョとかONE PIECEとか日本人の持つ世界観はもともと独特なんですよね、表現方法が違うだけで。
ハリーポッターも良いけれど、日本のファンタジーも負けてないなと思いました。