小川 糸/著


エスカルゴを食べるお話ではありませんかたつむり


失恋して全てを失った主人公が失意のうちに10年ぶりに故郷に帰ります。

行く当てのない彼女は、あまり仲の良いとは言えない母と生活を共にせざるを得なくなってしまいます。

母に頭を下げてお金と小屋を借り、念願だった小さな食堂を始めることに。

飼い豚エルメスの世話、小屋の改装、食材の調達。

なんとかオープンした食堂は評判も良く、母へのわだかまりも少しずつ消えて行くかと思われたのですが・・・。



誕生日プレゼントに友人からもらった本です。

普段、このようにきれいな世界観をもつ本を、私は自分では手にとりません。

読み始めも物語の中盤あたりまでも、趣味じゃないんだけどな~と半ば義務のような感じで読んでいました。

しかし!!!!

読み終わってみれば、こんなにしゃくりあげるまで泣いたのはいつぶりだろう?ってくらいでした。

きれいごとでも何でもない、逆に残酷すぎるくらいの現実を淡々と描いています。



出てくる食べものがどこまでも優しいイメージ。

美味しそうというのはもちろん、それ以上にやさしさとか思いやりが伝わってきました。

そういったほんわかした雰囲気に慣れてきた頃、そんなには甘くないんだということに気付かされます。


この本では、「食べること」と「生きること」を直結させています。

母との別れ、エルメスとの別れ、それでもなお生きている、生かされている自分。

わたしを生かしてくれている全てにありがとうを言いたくなりました。



神木隆之介や先日盲腸で入院した小出恵介らと同じAmuse所属アーティストのデビュー作となる小説です。

家族ネタには弱いので泣きまくりましたあ!

たまにはこういう読みやすいのも悪くはないかな。

著者は音楽活動もしているみたいですが、何をやりたい人なんだろう。