ミッドナイトスワン
ネタバレありの感想です
イチカは、のんだくれの母に、アンタのために働いてるんじゃ、と罵られ叩かれ、心に傷をおってました。
お金もないからか、自分の歯で腕に噛みついてリスカしてました。
ナギサ(草彅剛)も、最初はイチカに愛もなくお金のために預かります。
最初はお互い冷たい関係、それを変えたのは
イチカが好きなバレエ。
ナギサはイチカのバレエに魅せられます。
ハニージンジャーソテー(イチカ曰くハチミツの生姜焼き)をイチカに1枚多くあげたり、行儀作法(いただきます、挨拶)も教えます。
ふたりで夜の道でバレエの練習をしたり仲良くなっていきます。
イチカにはバレエの才能がありました。
その才能に嫉妬し惹き付けられたバレエの友達は、イチカを陥れたりキスしたり思春期の揺れを見せます。
不幸だったのは、脚のケガでバレエを断念しなければならなかったこと、母親が自分をバレエしか取り柄のない子とみてたこと。
お金持ちでも心は孤独。
イチカがバレエ大会で踊った歌を踊りながら、そのままビルから落ちて自殺。
イチカは、それを知ったのでしょう。
大会の途中バレエが踊れなくなります…
ナギサは毎週女性ホルモンを打ってました。
汗は、副作用のホットフラッシュ。女性ホルモンを打つと更年期障害と同じような症状がでます。
毎日偏見で傷つけられ、薬の副作用もあってか、たまに情緒不安定になるナギサ。飲んでた薬は、たぶん安定剤。
ナギサはお金をためてから女性の体になろうと計画してました。
同じ職場の友達は、男に貢ぎ、どんどん墜ちていきます。
最初のシーンに話は戻りますが、ナギサが勤めるゲイバーのみんなで、トゥシューズを一斉に履くところが綺麗で印象的です。
ナギサはイチカのために、お金のいい風俗で働いてみたり、髪を切って男として肉体労働したりします。
アンタのために、というナギサに、イチカは反発します。そんなの頼んでない!
母親から言われてた言葉…、自分のために犠牲になるナギサを見てられず…そんなイチカをナギサは抱きしめます。大き過ぎる愛です…
イチカには重すぎたし、辛い…
それからナギサはイチカの母になるため、性転換手術をします。ですが安い病院だったのか失敗してしまい、体も動けず、目も見えなくなりました。
ナギサはイチカを連れ戻そうとしますが失敗。
もしかしたら、その後、バレエ教室の先生が広島までレッスンに来てくれたのはナギサがお願いしたからかも…
小説読んでみたらわかるかもしれないですね
部屋で金魚を飼ってました。金魚は小道具。
なにかあると思いました。
ナギサは目が見えなくなったので金魚が死んでしまったことを知らずにエサをやります。
悲しいけれど、素晴らしい演出だと思いました。
ナギサにとってイチカは光でした。
希望でした。
自分の全てを失ってもいいくらい、イチカのバレエを応援してました。
悲しかった…
ナギサの愛し方は、男に狂い貢ぐようなもので。
それだけイチカのバレエは魅力があった。
バレエの先生もイチカばかりを教えてたくらい…
ナギサは、もっと違う応援の仕方はできなかったのか?
ゲイだとそんなに仕事が制限されるのか…
気を遣われる言葉もナギサを傷つけ
切なかったです…
洋画の、ブラックスワンも影響されてるのかな?と思いました。レズ的表現。悲劇。
ブラックスワンはアカデミー賞をとってると思います。
ブラックスワンは、すごく怖かったです。
また草彅剛くんのナギサは、本当に女らしく、髪を短くしたシーンもずっとナギサのままだったのが圧巻でした。
イチカのバレエは本当に美しいです。
もっとミッドナイトスワンの曲をエンディング以外にも多様しても良かったなと思いました。
とても切なくて素敵なピアノなので。
草彅剛くんは、アカデミー賞主演男優賞納得の演技でした。
イチカも、初めての演技とは思えないほど良かったです。
私はバットエンドだとは思ってません
ナギサは確かに幸せだったのだから…