夢で見た花
この間、夢に出てきたこの花が忘れられなくて、一輪買って帰った。
花開く予感など微塵もさせないほど固く小さく丸まっていた蕾は、お花屋さんの言った通り、たった一日で開き始めた。
二日目にして満開。
なんて、なんて美しい姿。
まるで白鳥みたいだ。
柔らかくてみずみずしい花びらに触れたら、指先から優しい命の波動が流れ込んだ。
芍薬って、こんなにいい香りがするんだね。
薔薇に似ているけれど、ちょっと違う。
もう少しキュート、かな。
何より、この色が好き。
限りなく白に近い桃色。
実物は、夢で見るより、もっとずっと綺麗だ。
そして、いいにおいがする。
野性的な葉の大きさ、形状、質感も意外性があって好き。
芍薬、シャクヤク
名前の響きも好き。