淋しいという気持ち | 脳内図書館

淋しいという気持ち

雨の匂いがする。

キッチンから、お料理した後の匂いがする。

秋の匂いがする。

夜の匂いがする。

静寂の匂いがする。

淋しい匂いがする。

全部が雑ざって、20年間住んでた家の匂いになる。

淋しくて、淋しくて、泣きそうな匂い。


そうか、わたしはずっと淋しかったんだっけ。

家には、みんな居たのにな。

小さな部屋のドアを閉めると、安心できた。

でも淋しかったんだっけ。


今は…

今、

今は満たされている。

眠る前、凄くしあわせ。

スヤスヤ眠っている天使の寝顔を見ると涙が零れる。

わたしの躯、みぞおち辺りから、愛という物質が生産されているのを感じることが出来るんだ。


ここにある淋しさは、きっと死ぬまでなくならないだろう。

でもそれは、今や辛いことではない。

淋しさはいつしか「不安」ではなくなって、「ただの淋しさ」になっていることに気付いたから。

今は、淋しいという気持ちをとても愛しく思うんだ。

なぜだろう?

いつからだろう?


これを読んでるあなたなら、この理由がわかるのかな。。