わたしの育った街と廃墟/無機質な美 | 脳内図書館

わたしの育った街と廃墟/無機質な美

『なぜ退廃的なものに惹かれるのか?』
これが、最近の自問自答テーマです♪(・∀・)

まずは心奪われる退廃的なもののひとつとして『廃墟』について考えてみました。

廃墟に懐かしい感覚を覚えたり、何か必然的なものを感じるのは何故だろう、と。

記憶を辿って、幼い頃まで遡ってみると、なんとなくそのルーツがわかってきまた。

わたしの育った街は、その昔、ゴーストタウンと言われていた集合住宅街。
開発都市で、ビルと森が混在している面白い場所でした。

新しく開発中の土地だったために歴史が浅く、人の匂いがあまりしない。
街に温もりとか、その土地特有の色が感じられなかった気がします。

同じ形をした団地やマンションがズラリと並んでいる風景は、個性や丸みがなく角ばった印象。
整備された美しさは、圧倒的で、とても無機質な感じがしました。
(わたしは、そういう風景に美的感覚が刺激されるのですが。)

駅前は近未来的な匂いを漂わせるビルが建ち並んでいるのですが、駅から少し外れると、未開発地。
木が生い茂っていて、森や畑や川、大きな池、崖や廃墟がありました。

そうなんです。
家の近くに廃墟があったんですよ!!
どうして忘れてたんだろう!!

割と大きな、崩れたコンリートの建物は近所の子供達の間では有名な場所で、彼らと同じように、わたしたちもそこを秘密基地にしていました。

廃墟の壁の一部に蛇が出る穴というのがあって、大きな蛇を間近で見たのをよく覚えています。

他にも、小さな廃墟が点在していました。
多分、池の整備所とか、そんなんだったんだろうな…

そこも秘密基地にして、雨宿りをしながら、バリバリに割られた窓ガラスの破片に、当時流行っていたキラキラ光るラメが入った糊を付けて『宝物』を作ったりしていました。

他、一番不思議だったのが、畑のど真ん中に聳え建っていた巨大な堤防。
聞くところによると、その堤防は、作っている途中で中止された高速道路の残骸らしい(笑)

それがね、幼少の頃のわたしの目には、凄く神秘的に映ったんですよ。
ストーン・ヘンジみたいなイメージ(笑)
あの不思議で、不気味で、美しい感じが好きだった。

…色々思い出していくと、廃墟に惹かれる要素は、自分の中にたくさんありました。

『人間が好きだと感じるものは、慣れ親しんだものである』と言いますが、やっぱりそういうところなのかもしれない。

地元には、まだまだ面白い奇妙なスポットがあるのですが、またの機会にお話したいと思います♪