愛することそれ自体 | 脳内図書館

愛することそれ自体

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今まで、恋人に対して、愛されたいがために愛していた部分が随分強かったのだなと気付いた。

相手に見返りを求めていた。
不安を満たして欲しいから。
自尊心や、存在価値、見捨てられの恐怖や、愛情飢餓感といった不安を。

「愛することそのもので自分も幸せになれる」

迷いなく言い放った彼女はとても素敵だった。

愛することそれ自体で幸せになれるなんて、わからなかった。
心を開いて愛しても、愛されなかったらと思うと怖くて耐えられない。
未来には必ず悲劇が待っているのだと決めつけて、どうせ壊れるくらいなら始めから何もないほうがいいと思っていた。

そうだ。
わたしの中では、男性を愛することは傷付けられ、裏切られることだったんだな。
愛することと不幸になることがイコールで結ばれていた。

いつ出来た筋書きだろう。

愛そうともせず、信じることもせず、ただ自分の不幸を嘆き、完璧な非現実的関係を求める。
絆は育んでいくものなのに、責任を全て相手に押し付け、被害者ぶって暗闇の中を堂々巡り。

そんなの、酷いじゃないか。
可笑しいじゃないか。
あまりに愚かじゃないか。
哀し過ぎるじゃないか。

大切な人に背を向けてきた人生を、これからも続けていきたくない。

わたしには彼を愛する勇気が必要だ。
怖い。
けれど、そこにわからなかった大きな何かがある。

愛そう。
自分から。