おつかれさま | 脳内図書館

おつかれさま

mica's Qualia-090327_174410_ed.jpg

空が、泣きそうなくらい美しかった。
溜め息と一緒に、思わず声が洩れた。


見知らぬ土地。
夕暮れの中を、タクシーで駆け抜ける。

誰もわたしのことを知らない。
この道が何処に続いているのかも知らない。

堪らなく孤独を感じて、自分という存在が、地平線に沈み行くサーモンピンクの雲に飲み込まれてしまうような気がした。


でも、思ったの。

座席越しに見えるタクシーの運転手さんにとって、この街は、きっと慣れ親しんだ土地。

あそこを歩いてる人は、もうすぐ温かいお家に着く。

低空飛行している鳥達は、あの大きな木に巣を作っているかもしれない。

だから、この年季の入ったフィルターを外したら、此処はちっとも寂しい場所なんかじゃないじゃないって。

沢山の人の温もりと、力強い自然のエネルギーがある。


今日は少し疲れたせいか、気分がよくない方に揺れていた。

疲れるとすぐ苛々しちゃうのは、中学生の時からだ。

苛々するともっと疲れるのに、どうしていつもこうなのだろうと考えてみたら、他に疲れを表現する方法を知らないからなんだ、と気付いた。

それって幸せじゃないな。
理想から逆走してることになる。

どうすれば幸せだろう。

そうだな、
素直に「疲れた」と認めて自分を優しく癒してあげること、そして、出来る限りの最善を尽くした自分を褒めてあげること。

若しくは表現する相手がいるならば「疲れた」と伝えて素直に甘えることかな。

小さなこと、ひとつひとつ幸せの方へ動かしていこう。


みんな、おつかれさま。