アルボムッレ スマナサーラ, Alubomulle Sumanasara
賢い人 愚かな人―人生を克服する34の智慧

心を育てる。

仏教では、
悟りを開いていない人はみな「愚か者」ということになっています。

自分が「愚か者」だなんて、なかなか認めたくない人も
いると思いますが、

毎日忙しくて、心を清らかにする余裕がなかったり、
欲・怒り・嫉妬などの感情に執着してしまったり・・・と

思い当たる節が、結構たくさんあることに気がつきます。

だからこそ、少しでも心清らかに
心を育てる方向に、日々努力していかねばならない、というのが

この本の大きなテーマだと思います。

まあ、現実にはなかなか実行するのは難しいとは思いますが、
そこで、「んなこと、できっこないよ~」と投げ出すのは簡単。

投げ出して、感情に左右されたり、良からぬ事に惑わされたり、
ストレスまみれだったり、という日々を続けていくよりは、

わずかながらでも、日々精進しながら
心の平安を求めて生きていく方がいいかな、

と私は思います。

仏教系の本は、1回読んだら終わり、ではなくて、
心の片隅に、ほんのちょっとでも
教えを置いておいて、

また忘れそうになったら、読み返すという類の本だと思います。

この本は、もしかしたら、やや宗教色が強めで
「んん?」と構えてしまう方もいるかもしれませんが、

大変読みやすく、内容も充実しているので
仏教系の本がお好きな方には良いと思います。