こんにちは とーちゃんです

 

 

 

 

 

もうすぐクリスマスがやって来ますね

 

ここ信州の北のはずれの町

 

聖なる夜が待ち遠しいブラザーズ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

良い子にしてるとサンタさんからプレゼントが貰えると

 

お手伝いも張り切ってます

 

兄貴ともPは半信半疑だけど・・・・・・・

 

 

 

 

 

だけど キッズにとって楽しみなクリスマス

 

ワクワクしてるだろうね

 

大人はね あまりワクワクはしなくなったけど・・・・・

 

特にこの齢になるとね

 

クリスマスは良い思い出ばかりじゃないもんね

 

クリスマスソングを聴くとせつなくなる事も有る・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二十代半ばの頃

 

バブル景気まっただ中のクリスマスイブの横浜

 

 

DCブランドやボディコンが若者のトレンドになり

 

街も人もキラキラしていた

 

 

大通りの華やかなイルミネーション

 

人が行き交い クリスマスソングがあちこちで流れていた

 

 

Last Christmas I gave you my heart

 

But the very next day you gave it away ・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

人混みの中 当時つきあっていた彼女と待ち合わせをしていた

 

彼女は30分程遅れてきた

 

いつもと違い少し物憂げな表情に 少しとまどい

 

だけど深く考えず この後の楽しい時間が彼女の憂いを消してくれる

 

・・・・・・そう信じて疑わなかった

 

 

 

海岸通のイタリアンダイニングで食事をして

 

山下公園の向かいのホテルのメインバーに場所を移した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プレゼントを交わし お互い包みを開けた

 

欲しかったTAGHeuerのダイバーズウォッチがそこには入っていた

 

「ありがとう!」

 

彼女に微笑みかけると ちょうど包みを開けるときだった

 

 

だけど・・・・・急に黙り込んでしまった

 

しばらくうつむいた後 顔を上げた彼女の目には涙が滲んでいた

 

またしばらく黙った後 

 

「好きな人がいるの・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?」

 

「あたし 結婚を約束してた人がいて・・・・・・・ あなたとの事を彼が知ってしまって・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「それで・・・・・彼に・・・・・別れようと言われたの・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・俺がいるじゃん」

 

「それでね あなたと逢うのも今日で最後にしたいの」

 

意味がわからなかった

 

「ごめんね・・・・・・・・さよなら」

 

彼女はそう言うと そのバーから出て行った

 

グラスの横に さっき交わした彼女に贈ったはずの指輪を残して・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひとり取り残され 途方に暮れて ようやくそのバーを後にした

 

運河沿いの橋の上で 街の灯りを映してキラキラする川面を見ながら

 

しばらくボーっとしていると ようやく今の自分が呑み込めてきた

 

 

 

・・・・・・・俺は本命ではなかったんだな

 

・・・・・・・それどころか本命の代わりにもなれなかった

 

 

 

涙がこみ上げてきた

 

だけど 絶対泣くもんかと堪えた

 

かわりに彼女がくれた時計と贈ったはずの指輪を・・・・運河に投げ捨てた

 

 

 

 

ひとりぼっちでふらふらと歩き 元町のバーに入ると そこでもクリスマスソングが流れていた

 

 

Last Cristmas I gave my heart

 

But the very next day you gave it away ・・・・・・・・

 

 

 

どうしようもない気持ちになり 朝まで場所を替え吐きながら飲み続けた

 

 

 

 

 

 

 

今 思うとね 恥ずかしいんだけど

 

当時はそれだけ恋愛に対して青かったんだろうな・・・・・って思う

 

でも 一生懸命だったのかな

 

 

50才を過ぎて 色んな事にすれてきてるから

 

思い出しても懐かしさと ちょっぴりせつない気持ちになるけど

 

良い思い出だと思う・・・・・・・今 思えばね

 

 

 

 

 

 

ブラザーズも そのうち恋愛をして 

 

もしかすると こっぴどく失恋する時がくるかもしれないね

 

だけどね  男の先輩として少し偉そうに言わせてもらえば

 

 

男はね 失恋すればするほど 強くなれるし 優しくなれるよ

 

どんな事でも 仕事でも 恋愛でも 多分人生でも・・・・・

 

だから 思い切り人を好きになって 思い切り傷ついてもいいんだからね

 

 

 

 

 

そう 色んな事を経験して 強い男になってください

 

 

 

 

 

 

でも 泣きたくて飲みたい時 とーちゃんがいくらでも付き合ってやるから・・・・・ね

 

 

 

 

 

 

それでは また