
先日10年ぶりに尾道へ行って来ました。
大林宣彦監督の「さびしんぼう」や「ふたり」等に登場した福本渡船さんが3月31日に渡船事業を廃止するとの事で、その前に乗って来ました。
30年ほど前、初めて尾道へ行った時に向島にあった「ホテルおか島」に泊まるために福本渡船に乗ったのが初めてでした。
「他社の6割の運賃で」を信念に片道たったの60円。
ただ、この6割には色々と深い意味があったようです。
元々、日立造船側に桟橋があったのに戦時中に今の場所へ移らされたそうで、その為に戦後に出来た駅前渡船とは本来許可されない交差航路になってしまったとのこと。
戦後の混乱期に駅前渡船より距離が短いからという理由で強制的に6割にされたり、福本渡船にだけ石油の配給がされず手漕ぎを余儀なくされたり、そのせいで他の渡船業者にお客を取られてしまったりと苦労されたみたいです。
石油封鎖がとれてお客が戻って来ると、同一運賃にと他業者から足並みを揃えるようにと圧力を受けたようですが頑なに断ってきたようです。
6割の運賃は福本渡船さんの譲れない意地だったのです。
行政の手を借りず民間事業者として135年もの間、市民の生活の足として続いていたのは奇跡のような事だったのかもしれません。
公営渡船の兼吉側近くにある、季節のジャムと日々のおやつ「コサクウ」さんで開催されている「1円ポッポと海辺の暮らし展」が5月6日まで会期延長との事なので興味ある方は是非訪れてみてください。(営業日要確認)
尾道で撮影をして来ました。
途中雨が降ったり、強風に晒されたりと厳しい状況でしたが、最後に乗る事が出来てよかったです。
福本渡船さん135年間本当にお疲れ様でした。