廃墟ブームと言われて久しい。軍艦島が各メディアで紹介されるようになった頃から廃墟ブームは熱を帯び、現在も廃墟熱は加速し続けています。
ブームの廃墟と鉄道、夢のコラボと言えるのが廃線跡。『廃線跡の記録』は、今なお姿形をとどめる日本の廃線を紹介。貨物線、モノレールも合わせて31もの廃線が収録されています。
山中を走る廃線、海辺を臨む廃線、廃鉱を貫く廃線と、ひとくちに廃線と言っても使用された用途はいろいろ。
役目を終え、今は朽ち果て、打ち捨てられているが、その重ねてきた年月はさながら人の一生を思わせます。きしんだ枕木の風味、錆びた鉄橋の雄大さ、すすけた隧道の迫力は圧巻の一言。
廃線はさまざまな理由から役目を終えた線路です。廃線をじっと見つめていると、現役の鉄道にはない趣に気が付きます。定年後の老サラリーマンの哀愁であったり、大往生を遂げた老人の満足であったり。そういった人間の生きた痕跡を見るような味わいに満ちています。
現在の姿を見て楽しみ、また在りし日の現役時代の姿を想像して楽しむ。廃線巡りは金もかからず二層の楽しみ方が出来る、大変オトクな遊びかもしれません。