土星から24万キロ離れた衛星「エンケラドゥス」。太陽から遠く離れたこの極寒の小さな星は、地表の大きな裂け目から絶えず蒸気を噴出しており、厚く覆われた氷の下には生命の源、「海」があるのではないかと、科学者たちの注目を集めてきました。今回、NASAの衛星カッシーニの探査によって、エンケラドゥスには本当に海があり、生物誕生の条件が整っている可能性が出てきたのです。この事実に科学者たちは期待に胸膨らませているようです。
2005年にカッシーニが近接飛行をするまでは、エンケラドゥスも土星の他の衛星と同じく、凍てついた死の星だと思われていました。しかし、「虎のしま」と呼ばれる、しま模様に見える大きな裂け目から噴出している物質を調べたところ、それは水蒸気、氷粒子、有機化合物であると判明。さらに、2009年の探査では、氷粒子から塩分が発見され、それ以来科学者たちは地下に巨大な海があるのではないかとしてエンケラドゥスに熱いまなざしを注いできました。
今回カッシーニの探査では、放出物の出口付近の温度が比較的高く、マイナス80度程度であることが明らかとなったそうです。随分寒いように思えますが、実はエンケラドゥスの表面温度は平均マイナス220度前後で、それと比べるとかなり暖かい。
この探査結果について、NASAジェット推進研究所の研究者のデニス・マットソン氏は、「こんなに高い温度は、熱の出所が火山である証拠。熱は内部から噴出し、氷を溶かして大量の蒸気を放出しているのではないだろうか」と語っています。そして、「表面からずっと深いところで気体が発泡水を作り、天然ガスを含む炭酸飲料のような海を構成していると思われる。そこは微生物が生息するのに好都合な環境となっているはずだ」としています。
今のところ、氷の下がどうなっているかは不明ですが、本当に海があるとなれば、当然生命が存在してもなんら不思議はありません。いよいよ地球外生命体の登場か!? NASAのさらなる報告に注目です。