ESPN F1コラム から・・・本日開幕するスペインGPの見所などが掲載されていますパソコン


↓↓↓


コース上で相次ぐバトルによってエキサイティングなレースが続く2011年シーズンは、いよいよヨーロッパラウンドの戦いが本格化する。第5戦はバルセロナのカタロニア・サーキットが舞台となるスペインGPだ。ここまでセバスチャン・ベッテル(レッドブル)4連続ポールポジションを獲得して3勝を挙げているが、どのチームにとっても馴染み深いカタロニアで流れはどの方向に進むのか・・・? スペインGPを楽しむために注目ポイントをいくつか押さえておこう。

【その1 - どんなコース?】

全長4.655kmのカタロニア・サーキットは1991年からスペインGPの舞台を務めており、ヨーロッパ圏では比較的暖かいコンディションのため、冬季テストでも頻繁に用いられるコースだ。約1kmの直線や中高速コーナー、ヘアピンやシケインといった低速コーナーがバランスよく盛り込まれたレイアウトで、マシンの総合力が問われるサーキット。スペインの英雄フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)への応援は毎年熱狂的なものがあり、アロンソの出身地アストゥリアスやフェラーリの旗を持った多くのアロンソサポーターが詰めかけ独特の雰囲気が作り上げられる。

【その2 - 戦略は?】

ピレリは今週末もハードコンパウンド(ハードタイヤ/プライム)とソフトコンパウンド(ソフトタイヤ/オプション)を持ち込む予定。このサーキットにはターン3という右回りで長時間横Gがかかるコーナーがあることから、特に左フロントタイヤへの負荷が大きい。低速コーナーが多いセクター3ではトラクションが重視されることもあり、今週末も3回から4回のピットストップが必要になるのではないだろうか。基本的にはオーバーテイクが難しいコースなのだが、今シーズンから導入されているDRS(ドラッグ・リダクション・システム/可変リアウイング)がどれほどの効果を発揮するか注目だ。ピットストップ回数が多くなるため、わずかな作業ミスが大きな後退につながってしまう。ピットクルーの作業やストラテジスト(戦略家)の判断はレース結果に直接影響することだろう。

【その3 - 注目の場所は?】

前述のように、カタロニア・サーキットでオーバーテイクを決めるのは困難だ。というのも、最大のオーバーテイクポイントとなるはずのホームストレートエンドに待ち構えるのは3速ギアで通過する中速コーナーであり、ブレーキング勝負で第1コーナーに飛び込むチャンスはなかなかない。数年前のコース改修でセクター3の高速コーナーが低速シケインに変更されたのはホームストレートでのオーバーテイクを増やすためだが、あまり効果的ではなかった。しかし今シーズンはDRSがあり、ストレートエンドに達する前にオーバーテイクを仕掛けることもできるだろう。前にいるマシンがKERS(運動エネルギー回生システム)を使って防御したとしても、DRSを用いて後ろから迫るマシンを長い直線で抑え込むのは容易ではないと思われる。タイヤのデグラデーションによってピットストップ回数が増えるとなれば、トラフィックの後ろでタイムロスを喫しないためにはコース上での追い抜きが順位アップに大きな影響を与えるため、どのような展開になるのか注目だ。


【その4 - 優勝争いは?】

ここまで4戦連続でポールポジションを獲得し3勝をマークしているレッドブルは、もちろん今週末も高い競争力を発揮するだろう。ベッテルがかなりリードしているとはいえ、2戦連続で表彰台に上り調子を取り戻しているマーク・ウェバーの奮闘によってはレッドブル同士の激しいバトルを見られるかもしれない。マクラーレンやメルセデスGP、フェラーリも上位に食い込むはずで、予選のポジション争いとコース上でのバトルから目が離せないだろう。

【その5 - ポイント争いは?】

ルノー、ザウバー、フォース・インディアを中心に入賞を争うと見られているものの、最近のレースにおける完走率の高さや中団争いのし烈さを考えると、ポイントを獲得するにはまずは信頼性が必須。さらにどのチームも今回のレースに大きなアップデートを持ち込むため、その出来によっては前戦までとは異なる勢力図が見られる可能性もある。

【その6 - 注目のドライバーたち】

昨年はウェバーにポール・トゥ・ウインを許したベッテルだが、今シーズンは4連続ポールに3勝という圧倒的な力を持ってスペインGPに挑む。今週末もやはり、予選でのポールポジション獲得を狙ってくるはずだ。前戦トルコGPで今シーズン初表彰台に上ったアロンソは、母国グランプリでさらなる好結果を手にしたいところ。ニコ・ロズベルグの先行を許しているミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)にとっては6度の勝利経験があるコースで、昨シーズンも最高位タイの4位に入っている。今後の進退に関してさまざまなうわさが飛び交っているが、雑音をシャットアウトできるような結果が欲しいところだ。小林可夢偉(ザウバー)は自身タイ記録となる3戦連続入賞を記録中で、今週末も確実にポイントを持ち帰りたい。

★2010年スペインGPの展開

予選ではウェバーがポールポジションを獲得し、2番手にベッテル、3番手にハミルトン、4番手にアロンソがつけた。スタートはウェバーとベッテルがポジションを守るも、その後ハミルトンがベッテルを逆転して2番手に浮上。ベッテルは終盤にコースオフを喫して緊急ピットインを余儀なくされ、アロンソが3番手に上がった。しかしレース残り2周というところでハミルトンの左フロントホイールにトラブルが発生してクラッシュ。ウェバーがシーズン初勝利をマークし、フェラーリドライバーとして初めて母国に凱旋(がいせん)したアロンソが2位、ベッテルが3位となった。可夢偉は予選10番手だったが、12位でレースを終えている。


↑↑↑


関連記事 http://ja.espnf1.com/spain/motorsport/story/48917.html