<本の姫>は謳う 4部作

 

『レーエンデ国物語』の作者、多崎礼さんの<本の姫>は謳う THE PRINCESS OF BOOKS AWAKENS 4部作を一気に読みました!!

 

 

*あらすじ*

 

2つの月が浮かぶ、ソリディアス大陸。自分ではない“誰か”の記憶を持つ少年・アンガスは本に宿った謎の女性〈本の姫〉と共に旅をする。旅の目的は大陸に散った邪悪な文字(スペル)を探し、回収すること−。〔中央公論新社 2007年刊の加筆・修正〕【「TRC MARC」の商品解説】

二つの月が浮かぶ、熱砂に覆われたソリディアス大陸。自分ではない”誰か”の記憶を持つ少年・アンガスは本に宿った謎の女性・〈本の姫〉と共に旅をする。旅の目的は大陸に散った邪悪な文字(スペル)を探し、回収すること。人々は文字(スペル)の魔力によって凶暴になり、各地では厄災が起きていた。荒野を貫く鉄道に乗り、不思議な力を持つ歌姫たちに出会い、滅びた天使たちの遺跡を巡るアンガスたちを待ち受けるものとはーー。

4巻連続刊行! 天空と大地を旅する壮大なファンタジー

 

*honto商品説明より引用

 

 
 
 
本作は、最近新装版で刊行されています。
まず本の装丁が素敵すぎます。表紙には、作品の中にもでてくるスペルを思い出させるような、題名が箔押しで刻まれています。
レーエンデ国物語もそうでしたが、本好きなら思わず手に取ってしまう装丁となっています。
 
そして、内容は、、、
 
素晴らしいです!!
 
世界観といい、ストーリーといい、とても良かったです。
強い希望を持たせてくれる、勇気をくれるそんな物語だと思います。
 
レーエンデ国物語1巻目は、ハッピーエンドとはいえなかったため、ハッピーエンド好きな私としては、<本の姫>は謳うを読むのに二の足を踏んでいましたが、読んでよかったです✨
 
 
スペルを探して旅をして、その中で問題を解決してスペルを集めてっていうのは、RPGっぽくて、実際にRPGにしても面白そうだなと思いました。
 
ファンタジー好き、ハッピーエンド好きな方はぜひ!!!
 
 
 
 
以下、ネタバレもしながら感想を書きます✨
 
 
 
アンガス目線と「俺」目線でのお話が交互にあるのは個人的に良かったです。
二つのお話がどうつながっていくのか、気になって、読み進めることができました。
また、ラストを考えれば、今であり、過去でもあるのだから、同時に進んでいくのが正しいのでそういう点でも良かったです。
歌もなかなか素敵で、大地の鍵や、解放の歌など、世界観に引き込まれてしまいました。
 
「世界」が人として生まれ、たった一人の愛する者と出会うというストーリーも素敵ですし、
絶望の未来を観測すると決まってしまう、と言われながらも、希望を信じることで未来を変えることができたこと、
ラストでは作者から読者へ強いメッセージがこめられているように思います。
 
このメッセージにはとても勇気づけられると思いました。
 
アンガスの絶望した理由や、セラの話し方(なんならアンガスがずっと敬語なのもちょっと気になる)など、個人的に作者の癖が少し気になりますが、それをふまえても読ませる物語で、完成度も高く、素晴らしかったです。
 
読み終わった後には、自然と歌が頭の中に聞こえてきました。
「この歌が届けばよいのだが・・・」