『時間旅行者の系譜』 シリーズ 感想

 

 

 

ケルスティン・ギアの『時間旅行者(タイムトラベラー)の系譜』シリーズを読みました!

「紅玉は終わりにして始まり」、「青玉は光り輝く」、「比類なき翠玉」の3部作です。

 

 

 

あらすじ*****

 

十六歳の「あたし」ことグウェンドリンが“めまい”に襲われたのは高校のカフェテリア。それがすべての始まりだった。そもそもタイムトラベラーとして期待され、準備万端ととのえていたのは、いとこのシャーロットだったのだ。ところが実際に過去に飛んだのは、何の準備もしていないあたし。相棒になったギデオンは気絶しそうにステキなんだけど、鼻持ちならない嫌なやつで、あたしのことなんかバカにしてる。あたしだって好きでタイムトラベルしてるんじゃないのに。ドイツで百万部突破。大人気のタイムトラベル・ファンタジー三部作、第一弾!

 

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 謎、冒険、ロマンスがぎゅっと詰まった、タイムトラベル・ファンタジーです!

 一人称系が気にならなければ、とても読みやすいし、面白いし、ドキドキするしでおススメです✨

 特に、「プリンセス・ダイアリー」、「ウルフタワーの掟シリーズ」、「タイガーズ・カースシリーズ」が好きな方には、特におススメです!

 

 ファンタジーとしても、やっぱりタイムトラベル系は外さない!ってことで、謎解きとしても面白かったです。

 ちなみに、ドイツでは非常に人気で、映画化(3部作全部!)もされています。 

 ありがたいことに、アマゾンプライムで観れました♪

 

 

以下は、感想を書いていきます✨ ネタバレ注意

 





 

 『紅玉は終わりにして始まり』
 グウェンドリンは、好奇心が強いけど、あんな状況に置かれて、しかも何も教えて貰えなかったら、誰でもそうなりそう。
 グウェンドリンが行動するたびに、大丈夫かなって心配でドキドキするけど、行動力はすごいなって思いました。レスリーの力も大きい。
 
 過去に行くのに、その時代にあった服装をするのだけど、ドレスとかカツラとか、そのシーンが読んでて楽しかったです✨
 
 ギデオンは、イケメンらしいけど、やっぱりちょっと上から目線なところもあるしで、グウェンドリン目線と同じ気持ちで見ることが出来ました。
 だんだん印象が良くなってきて良かった!ってところで、1巻終了。
 ここから面白くなりそうだし、謎がいっぱいだし、ギデオンとどうなるのか気になりました!




『青玉は光り輝く』

 セメリウスが出てきて一気に面白くなってきました!会話が面白いし、テンポが良くなった感じ。

 この巻から、グウェンドリンがおじいちゃんと出会い、未来のグウェンドリンが書いたメモを見ることになったりして、タイムトラベル特有の面白さが出てきました。若いミスター・ジョージと会えたのも良かった!
 ジョルダーノはシャーロットと一緒になってグウェンを馬鹿にするのでちょっと嫌な奴でした笑
 客観的に見て、ギデオンは多分グウェンが好きだと思うけど、シャーロットにも優しいのでグウェンが確信を持てないのもしょうがないかなと思いました。

 

 ギデオンが過去で頭を殴られたって話は、ほぼ確実に自分で殴ったんだろって思いました(笑)

 3巻で、当たってたので、笑ってしまいました。

 冷たい態度のギデオンは、嫌な感じで、つらかったです。そんなに長くなかったから、良かったけど。

 グウェンドリンはだいぶギデオンに悩まされてるけど、思い込みとかはそこまで強くないし、リアルな感じで私は結構好きでした。

 伯爵が何をしたいのかがよくわからないけれど、悪い奴なのは確か。

 

 エピローグでポールとギデオンが出会ったので、次巻ぐっと話が動きそう!

 

 



 

『比類なき翠玉』

 最終巻は怒涛の展開でした。

 おじいちゃんが残したものがクロノグラフだと分かり、びっくり。 ずっと家にあったのに、謎を解いて初めてわかるというのは、なんかゲームみたいだなと思ってしまいました。

 クロノグラフを見つけて保管するのに、ミスター・バーナードや、ニックが手伝ってくれて、グウェンの家族にもスポットがあたりました。

 2巻あたりから、ぐっと登場人物たちの役割が増え、キャラに深みが出て、すごく面白くなった気がします✨

 

 ギデオンも完全に味方となり、(最初らへんに「友達でいよう」と言ったときは、最悪だったけど(笑)。読者はギデオンの気持ちがわからんでもないけど、当事者だったら、グウェンみたいに最悪の気分になっても仕方ないと思う。まだティーンだし。)

ルーシーたちのクロノグラフの円環を閉じた時は大丈夫か??と思ったけど、賢者の石?が出てきただけで安心しました。

 

 クロノグラフから賢者の石が出てくることについて、誰が賢者の石を作って、クロノグラフの保管していたのか、二つ目のクロノグラフのも賢者の石が入ってるってどういうこととか疑問はあったのですが、この賢者の石とクロノグラフこそがファンタジー要素だったのかと思い当たりました。だからこそ、クロノグラフについて論理的に説明する必要がないということなのではないでしょうか。

 タイムトラベルに関しては、しっかりと説明されているので、クロノグラフの謎に関して気になった人がたくさんいそうです。

 

 伯爵が現代まで生きているということが分かったときには、ぞっとしました。

 ミスター・ジョージだったら怖すぎると思い、彼じゃないように祈っていました(笑)

 いけ好かないホイットマンで安心しました。

 ギデオンが不死身になっていて安心しました。

 

 ルーシーとポールが実の両親だと分かり、ミスター・バーナードもまじかとなり、もう少し後日談を丁寧に知りたかったですね。
 作者も、タイムトラベルの矛盾を無くすために出来るだけ話を短くしたと書いてましたが、グウェンドリンとギデオンが不死身になっちゃったけど、今後どうする?とか、歳はとる?とか、ミスター・バーナードとかの時系列は?とか、疑問が出る前に(グウェンもレスリーもほっといたら、そういうこと考えちゃいそう笑)、物語を終わらせてしまった感じがします爆笑

 描かれないことも多かったですが(ドクター・ホワイトがおそらくグウェンドリン側の味方になっていたこととか)、ギデオンとのロマンスを中心にしてよかったです。
 シャーロットはちょっと可哀想でした。ギデオンとのことを知ったらどう言うだろうと気になりましたタラー

 読み出したらぐっと引き込まれる本で、とても面白かったです✨