『蒼穹の昴』感想
浅田次郎の『蒼穹の昴』を読みました!
あらすじ等は以下↓
蒼穹の昴は、浅田次郎の代表作ともいえるし、その後もシリーズとしてたくさん本が出ているので有名ですが、今まで読んだことがありませんでした。
ドラマも何年も前とのことで、今更読んだのかという感じではありますが、本当に読んでよかったです。
もともと、ファンタジー、特に翻訳本が大好きな私は、基本的には日本人作家にはあまり興味がありませんでした。
そんな私ですが、歴史物では新選組が好きで、その辺りの小説を読み漁っていたころ、浅田次郎の小説と出会いました。
「壬生義士伝」、「輪違屋糸里」、そして「一刀斎夢録」。
特に「一刀斎夢録」を読んだ時の感動は忘れられません。
新選組の物語をこんな風に描けるのかと、ストーリーにも、その表現方法にも驚きました。
他には、「鉄道員」、「霞町物語」、「帰郷」、「アイム・ファイン!」を読みました。
「蒼穹の昴」はずっと気になっていましたが、中国の歴史もよく知らないし、面白く読めるだろうかと手を出さないでいました。
実際は、いざ読み始めると止まらなくなりました。
どんどん物語に引き込まれていきました。
歴史をよく知らないとか関係なかったです。
自分が体験したかのようなリアルな感覚で読むことができるのです。
そして、魅力的な登場人物。春児、文秀、王逸が特に好きです。
読み終わって架空の人物だと知って、少し失望してしまいました。
文秀や王逸が残した漢詩があれば読んでみたかったからです。
登場人物の描き方がとても素敵です。人間として深みがある。一つの行動に、思考がある。
西太后の描き方にもなるほどなと思いました。
また、あらがい難い時代の流れに感じる切なさ。もう歴史は決まっているわけで、清は破滅に向かっていきますが、読んでいる間は何度も希望を持ってしまいます。
なんとかしようと懸命にあらがう登場人物に感情移入してしまいます。
自ら運命を切り開いた春児には、勇気を貰いました。
「蒼穹の昴」は、時代小説なだけでなく、運命は自分で変えられるのだというメッセージがあって、とても感動しました。
久しぶりにのめり込んだ小説でした。
シリーズで続きがあるので、とてもワクワクしています✨