翔side
「……ン、…リン、」
今日は学年イチ美人のももちゃんとのデート。
高校に入学し、同じクラスになってあっという間に一目惚れ。
毎日アプローチするものの、お調子者の俺はなかなか本気にしてもらえず…。
けどマジになんていけない。
そんなの恥ずいじゃん。
女の子との距離を縮めるにはチャラいくらいがちょうどいい。
「…リン、……ダーリン。」
そんなももちゃんにアプローチし続けること、8ヶ月。
念願叶って、クリスマスに約束を取り付けた。
いわゆるデートてやつ……むふふ。
クリスマスに会うってことはかなりの脈アリだよね?
高一にして念願の彼女か!童貞卒業か!?
「ダーリン…、起きて…。」
ももちゃん…。
ダーリンだなんて、気が早いなぁ。
俺達、付き合うって話したっけ?
て、なんで俺ももちゃんといて寝てんの?
「ダーリン!ダーリンてば、起きてよぉ!」
「もも…ちゃぁん…。まだ気が早い…、、」
「ダーリン!ももって誰!?」
激しい揺さぶりに一気に意識が浮上し、目が覚める。
「僕がいながら他の子の名前を呼ぶなんて!
浮気者ー!!」
寝起きの俺の胸ぐらを掴んで、ユサユサと揺さぶられてるこの状況。
「うぅ…ん…、、ももちゃぁん…
………ん?」
ちょっと待て。
整理させて。
目の前にいるやつ。
知らない…、誰?
ふわふわな黒髪の前髪から覗く瞳は零れ落ちそうなほど大きいし、ひと目で目を引く赤く色味の良いふっくらとした唇。
つるんとした白い肌に色気のある口元のホクロ。
けど…、 ギロッと睨む鋭い眼光はなぜか男前。
「はっ?誰だよ!お前!」
その手を掴んでこちらも負けじと睨み返す。
そいつはさらに目を見開き、次の瞬間には顔を歪めた。
「ひっどーい!忘れちゃったの!?」
「はい?人違いじゃ…?」
「何言ってんの?僕がダーリンを忘れるわけないでしょ?」
今度はニコッと柔らかな笑顔を向ける。
くるくる変わる表情が忙しいヤツだな。
なんて思うけど、まだ寝惚けた脳みそがうまく働かない。
そいつは俺の首に巻きついてきて、昔拾ってきた子猫のように俺の頬に擦り寄り、
「ダーリン、会いたかった…。」
そう、噛み締めるように呟いた。
新しいお話、はじまりました(*´∀`*)
