ここが…ラブホ…。

初めて入るこの場所は川沿いで古いコンクリートの打ちっ放しのせいか夏だというのにどこか空気がひんやりと感じた。
空調もきいてるけど、正直古すぎて効きが悪い。

「ボロ…。ま、しょうがねぇか。
安いとこんなもんだよな…。」
 
「うん…。」

にわかに返事を返すけど、そんなの僕が知るわけもない。
学生の僕達が普段から入れるようなとこじゃないし、いくら安いと言ってもお金がかかるのは確かだ。


「2時間か…。シャワー浴びる?」

外気に長く触れていた肌がベタベタする。
抱かれるなら汗は流したい。

「一緒に入るか。」

「へぇっ!?」

変な声出た。

だって一緒に入るってことは明るいところで全裸を見せるということで、今の今までそれだけはするまいと誤魔化してきた。
いつも部屋ではカーテンを閉めてもらっていたから、お互いぼんやりとしか肌を見せあってはいない。

「し、しょおくん、先に…、」

「多分、無理。」

「え?」

「だって、あれ見てみ?」

指さされた場所は明らかにバスルーム。
そこはガラス張りでベッドから丸見えだった。

「別々に入る意味、なくねぇ?」

「そう、だね…。」


腕を引かれ、バスルームに来ると翔くんはさっさとTシャツを脱ぎ捨てた。
逞しい背中。キレイ。
思わず手を伸ばして、その背中に触れた。

「おわっ!どした?」

「キレイだなって…。」

吸い寄せられるようにその背中にくっついて肩に頬を寄せる。
背中も腕も逞しいのになぜか撫でてるその肩がかわいい。
そっと唇を当て、ペロっと舐める。
少ししょっぱい翔くんの味がした。


「誘ってんの?」

「そういうわけじゃ…、」

そう言うが早いか翔くんは僕のTシャツの裾に手を掛けると、一気に引き抜き上半身が露わになる。

「あっ…、」

「お前の方がキレイだよ。」

そう言うと、唇から順に下へ下へとキスを落としていく。

「んっ!」

そのキスをされた所から熱を持っていく。
おへそまでくるとハーフパンツと下着に手を掛けるから慌てて、その手を取る。

「自分でっ、」

「…そう?じゃ、見てる。」

「やだよ!そっち向いててよ。」

「はいはい、じゃ、すぐ来いよ。」

翔くんはさっさとマッパになって浴室に入っていく。

その後ろ姿。

あれ?翔くん?
お尻がおサルさんみたいにまあるく白くなってた。

「ふふっ、かわいい。」

それを見たら少しだけ緊張が解けた気がした。


ザーッとシャワーの流れる音が聞こえる。
翔くんを待たせるわけにいかない。

意を決して下を脱ぎさり、全裸になる。



シャワーを浴びる翔くんの背後から俯き加減にペタペタとゆっくり近づく。
翔くんのかかとが目に入って、ゆっくりと視線を上げるとすでに翔くんは振り返って僕の身体をその目線に捕らえていた。


「あっ!」

グイッと腕を引かれて、シャワーに打たれながらキスをする。

「…ぁん、」

シャワーの水音と翔くんと絡む舌からの水音が溶け合って耳を刺激する。


「お前の肌って白いのな。」

「そんなの…わかんなっ、」

「この肌がさ、紅く染まるんだよ…。
こうしてさ、俺が触れたとこから紅く…。」

「ど、して…?」

「知らなかった?
見えてるよ。お前の全部。」

「う、そ…。」

「今日は声、我慢しなくていいから、」

「…っ!?」

 「思うまま抱いていい?」

首すじを舐め上げて、耳元で囁く。


翔くんの声が頭の中にダイレクトに響いて、
ズクンとお腹の奥が疼く。

「しょおくん…、はやく…。」

「お前。やべぇよ、それ。」

翔くんの瞳に赤が灯った。