【気づく想い】



収録が始まっていつも通りに翔ちゃんが進行して、いつも通りニノがツッこんで、いつも通りリーダーがとぼけて、

いつも通り…松潤はカメラに笑顔を向けていた。

けど、この日はただの一度も翔ちゃんと絡むことはなく、目も合うことはなかった。

カメラが止まるとふと視線を下げて床をぼぉっと見つめるその姿があまりにも儚げに見えて抱きしめたくなるこの手をぐっと握りしめる。


さっきからなんでこんな気持ちになるんだろう?

今さらこんな気持ちを持ってどうなる。


松潤には翔ちゃんがいて、それは俺が事務所に入った時から今でもずっと変わらない光景だ。
今さら気になるからって翔ちゃんに勝てるわけないのに。




収録は滞りなく終わる。

楽屋へと戻ろうと先頭を歩く翔ちゃん。
いつも松潤はその隣。
なのに今日は…。

「翔ちゃ…、」

このまま黙っていられなくて、その後ろ姿に声を
……掛けようとした。

「相葉さん。」

「……ニノ。」

その声はニノによってかき消された。


「二人の問題です。」

ニノは気づいてた。
きっとリーダーも。

「でも…、」

ニノは黙って首を横に振った。


もう翔ちゃんの姿が見えなくなった後ろを松潤がトボトボと歩いていく。


俺はただ黙ってそれを見てるしかないの?

松潤、俺は君を……。