潤side
あれから一週間が過ぎようとしていた。
カズとは色々と理由をつけて家では会っていない。
きっと勘のいいカズのことだから、変に思ってるに違いない。
でもまだ勇気が出ない。
答えは出てるのに面と向かって、カズに言う勇気が出ない。
今まで僕を守ってきてくれたカズを裏切れる?
僕がカズを切り捨てるの?
怖くて。
カズの傷ついた顔を見るのが怖い。
「……ん。じゅん?」
「えっ?あ、ごめん、なに?」
一週間ぶりのサクラ。
なのにハッキリできない自分のことでいっぱいいっぱいだった。
サクラだって忙しいのに…。
こうやって会える貴重な時間なのに。
今日も会ってすぐに抱きしめられた。
「会いたかったぁ…。」
「僕も…。」
そう言って抱きしめてくれるサクラに応えた自分。
そして僕らはキスを交わす。
ふたりだけ。この瞬間。
「さ、くら…。」
好きだよ。
気持ちが溢れて止まんないよ。
やっぱり言わなきゃ…。
僕は何を迷ってるんだろう。
奥の部屋。
僕達の密会場所になりつつある。
「なぁ。俺達、付き合お。」
「……はっ!?何言って…?」
サクラはとんでもないことを言い出した。
付き合うなんて…。
出来るわけない。
サクラは芸能人で僕はただの中学生。
住む世界が違いすぎる。
「だ、ダメだよ!」
「なんでだよ。
俺達、同じ気持ちだろ。」
「そう、だけど…。」
無理。
大体まだちゃんとカズに言えてもないのに。
「俺さ、これからもっと上、目指したい。
親から逃げてこの世界に入ったけど、やっぱりやるからにはトップ目指したいなって。
でっかいとこでライブやったりしてさ。
そんで、お前にいっちばん前のど真ん中で見て欲しい。
だから、お前が必要なんだ。
俺、お前がいてくれたら、すっげー頑張れる。
お前のためにトップとってやるよ。」
僕のため…。
僕なんかのために…。
サクラの大きな夢。
僕も応援したい。
しっかりしろ!自分!!
「サクラ、来週また会える?」
「えっと、多分大丈夫かな。」
「その日に返事させて。」
「待たなきゃダメ?」
「うん、待ってて。
必ず会いに来るから。」
カズにちゃんと言う。
サクラが好きだって。
来週会った時には、僕から両手を広げてサクラに飛び込むから。
そしたら、お願い。
受け止めて。
