「おい!ニノ!大変だ!!」

お昼に天使の作ってくれたサンドイッチを口に運ぼうとしたまさにその時だった。


「なんだよ。風間。」

コイツは幼馴染でもちろん天使の存在を知っている。
ただコイツには1ミリも危機感は感じない。
だから長く付き合えてる。
天使に手を出しそうなやつは片っ端から切り捨ててきた。

上辺だけの友達なんていらねーんだ。

俺には天使さえいれば、それでよかった。



「あ、それ潤ちゃんのお手製?
相変わらず女子力高いねー!
じゃ、おひとつ…」

図々しく手を伸ばしてくるから、ペシっと払ってやった。


「誰がやるかよ。で、なに?」

もう一度あーんと口を開けた。


「あ!そうだった!!
大変だ!ミスターが呼んでるぞ!!」

「はぁ?ミスター?
んな知り合いいねーぞ。
てか、早く食わせろ。」

「お前知らねーの!?
嵐学ミスターナンバーワンの櫻井翔だよ!」

「サクライ??」

手にしたタマゴサンドがなかなか口に運べない。




「君がニノミヤ君?」

不意に風間の背後から知らない声で名前を呼ばれる。

キラキラなオーラを纏った人物。


「えっ?な、んで…?」

なんであのイケメン君がここに??


「あー、見つけた!
今日電車で一緒だったよね。
同じ駅で降りたのを見かけたんだよ。
もしかしたらと思ったけど、見つかってよかった。」

「はぁ…。よくわかりましたね。」  

「そりゃ、君ほどのイケメンなら聞いていったら辿り着くかなって。 
そしたらビンゴ。
すぐに見つけちゃったよ。」


コイツ…

なかなか良い奴じゃん!!



「で、なんのご用でしょう?」

スンッと鼻をすすって、一瞬照れたような顔をしたのは気のせいか?


「今日電車で一緒に乗ってた子、
知り合い…だよね?風高の制服着てた。」

「ま、まぁ…、」

「それって潤ちゃん?」

「潤ちゃん?」
 
「おい!風間!」

「その子はコイツの弟です!」

おめー、バラすんじゃねーよ!


「弟なの?」

「は、はぁ…。」

「そっかぁ、弟かー。」

ニコッと笑った笑顔が眩しいじゃねーか。
正真正銘のイケメン君だぜ!

て、感心してる場合じゃない。



なんか…、またもや嫌な予感が…。


「あの、ニノミヤ君!
僕に弟くんを紹介してくれないか?
今日初めて見て、ずっと頭から離れなくてさ。
もう一度、会いたいんだ。」


や、やっぱりですか。

そうきましたか。


ミスターサクライ。
天使に一目惚れってやつですか?




結局タマゴサンド、いつ食えんの…?