潤side
じっと見つめると、翔くんが苦しそうな顔をする。
「しょお、くん…?」
視線を逸らすから、再び覗き込むようにその先を追う。
「お前…マジでその顔やめて。」
「え?」
「俺の理性、もたなくなる。」
そう言って、強く抱きしめられる。
その先…
受け入れるなんて初めてで怖い。
でもずっと大好きだった翔くんが俺の手の届くところにいる。
「いいよ…。」
背中に腕を回して、抱きつく。
いろんな想いがぐるぐるする。
ずっと好きだったんだもん。
なにがあっても翔くんを信じてるし、ついていく。
覚悟は、できてる…。
あ、れ?
微かに震えを感じる。
確かにドキドキ緊張してるけど、俺じゃない。
まさか…
「翔くん!?」
パッと身体を離す。
「しょお、くん…。」
俺を見つめるその瞳にうっすらと膜が張っているのがわかる。
「な、んで…?なんで…?」
泣いてるの?
翔くんの頬に触れる俺の手も震えてしまう。
だって…
いつだって自信に満ち溢れている翔くんのこんな顔を見るのは初めてで。
なにかしてしまったんだろうか。
急に不安に襲われる。
俺のその不安を察してか、俺の手に自身の手を重ねて翔くんはふわっと笑った。
「違うんだ、潤。」
抱きしめられ、何回目かの抱擁。
「嬉しくて、幸せなんだ。
お願いだから…もう、離れないで…。」
「そんな!離れないよ!
翔くんのことずっと好きだったのに、離れるわけないっ…!」
なんでそんなことを言ったのかわからないけど、そんなの逆だよ。
それは俺のセリフ。
翔くんがここにいることが奇跡だって…
そう思うんだよ。
「うぅ…っ」
幸せで涙出る。
胸がいっぱいで涙が溢れる。
「潤、泣くなよー。」
あははって笑うから、ちょっと悔しい。
「なんだよぉ…うっ、ぐすっ…
最初に泣いたの翔くんじゃん。」
「うん、ごめんな。」
ゆっくりと頭を撫でる手があったかい。
なんか、すっかりそんな雰囲気じゃなくなっちゃった…。
きっと翔くんは帰る。
翔くんは優しいから。
だから、俺から言うね。
「翔くん、もうすぐ誕生日だね。」
「あぁ、そっか。
なんかいろいろあって忘れてた。」
「誕生日の日、会えないかな?
お祝いしたいな。
仕事、あるかもしれないけど。
それでも会いたい。」
「あぁ、もちろん。」
「プレゼントとか、用意出来るかわかんないけどさ。
今週、時間ないかもで。」
「そんなのいいよ。
潤がいれば、なにもいらないよ。」
「だからさ、あのさ、」
「ん?」
しょおくん、好きだよ。
誰よりも…。
「誕生日に俺をもらってよ。
翔くんのものに、して…。」
自分で言ったセリフに顔から火が出そう。
チラッと翔くんを見たら、一瞬ビックリしたように目がおっきくなったけど、
「うん、楽しみにしてる。」
そう言って満足そうに微笑む。
その笑顔にますます惚れてしまうんだ。
