翔side
唇を重ねるとグッと身体の奥が熱くなる。
こんな風になるのは後にも先にも潤だけだ。
その昔、俺も潤とニノがキスしてるだろう現場を目撃してショックを受けた。
そう…勘違いであっても、その時の衝撃を今回は潤が同じように受けたんだ。
こんなに泣いて…
こんなに傷ついて…
そして、全身で俺を好きだと訴えかけてくる。
なんて愛おしい…。
俺を見つめる目が、頬を染めて俺の指先に反応する潤がとてつもなく可愛くて。
欲しくなる。
きっと…もう止められない。
一瞬唇を話して見つめると、またじわりと潤む瞳。
「どうした?まだ何か心配?」
「うぅん。何もないよ。何も…
何もなくて…今日はバレンタインなのに。
好きな人に、しょおくんにチョコ、あげたかった…。」
きっとあの赤い箱は…。
「じゃあ、あれ、貰ってもいい?」
「え?あっ!なんでっ!」
机を指さすと、潤は慌てて箱を隠す。
「こ、これは…もう…あげれるようなモノじゃなくて…。」
「くれないの?」
「あ…っ」
そっと潤の手から箱を抜き取る。
キレイにラッピングされていて、どれだけ潤がこの日を大切に考えてくれていたかが伝わってくる。
俺のために…
「ありがとう、潤。
空けてもいい?」
恥ずかしそうにコクンと頷く。
中にはキッチリと並べられていたであろう、柔いチョコレート。
室温で少し溶けて、くっついてしまっている。
「こんな…、こんなの!
しょおくんにあげられない!
僕、買ってくる!
もっとキレイでおいしいのっ…
わぁっ!」
出ていこうとする潤の腕を引き寄せ、後ろから抱きしめる。
「これがいいんだ…。
お前が作ったこれがいい。」
「しょおくん…。」
「食べていい?」
「うん…。」
1つ摘んで口の中に入れる。
溶けてなくなる…甘いチョコ。
でも…
「甘くない。」
「え?チョコレートだよ。なんで?」
「さぁ?潤、食べてみ?」
さらに1つ摘んで潤の口に差し出す。
俺の指が潤の唇に触れたまま、口の中に取り込ませる。
「ん?はれ?しょおくん、ちゃんとあま…っ、
んん…っ!ふぁ…ゎ!」
すかさず俺は潤に深く口付け、口内からチョコを奪う。
一瞬だけど、俺と潤の舌が絡み合う。
「やっぱり、潤から貰うチョコは甘いな。」
ペロっと潤の唇を舐める。
みるみるうちに潤の目の色が変わるのがわかった。
そう…そうやって俺を見ろ。
「しょおくぅん…僕にも、ちょうだい…。
しょおくんの、甘いチョコ…。」
潤…わかってる?
甘くとろけたお前の顔は極上にエロい顔してんだよ。