初対面、
私は言いたい事をはっきり言うタイプに見られるが、
夫以外には、自分の事や気持ちを言う事って、あんまり好まないし、居心地が良いと感じない。
後から、あれ言うんじゃなかった…と、一人悶々とするタイプ。
といいつつ、これだけツラツラと長文をブログで書くのだから、自己認識と実際はギャップがあるのだろう。それは、おいといて。
ナルシストで労働法を遵守してくれない雇用主、
そのくせ、自分は人間らしい理解のある雇用主と勘違いしている雇用主、
給与も給与明細も給料日通り、当たり前に払えない雇用主と、
ぶっちゃけ、一緒の空間にいるのも吐き気だし、
今日働いた分は適正に払われるんだろうか?という気持ちを、常日頃感じながらの仕事は、疲労も溜まる。
今日、唯一、そんなクリストフに対して私が出来る仕返しを思いついてしまった。
ナルシストは、人からどう思われるか、ということだけが大事。
クリストフは、典型的なナルシスト。
経営者としての敏腕ぷり、(それもエクスで)
美容師としての情熱と誠実さ、
従業員をかかえる責任感、また、その従業員から慕われる人情味がある雇用主、
↑これが、クリストフがお客さんから見られたい人物像。
経営者として敏腕というのも、
自称、経営するのは二軒目の美容室と謳っているが、事実は、一軒目は雇われ美容師だったし、
雇用主としては、ご存知の通り、思い込みとは真逆の人物。
ということは、だ。
お客さんに、COOLじゃない自分を知られる&見られるのが一番、嫌じゃない?とふと、気付いた。
休憩もとれずに迎えた18時。
就労時間は、18時30分まで。
クリストフは仲良い顧客さんのお仕上げ中。店は片付けていないものでぐちゃぐちゃ。
夫には休憩をとれなかったのなら、その分、早く帰れ!と言われている。
どうしよう?
クリストフから帰っていいよ?なんて言われるはずもない。片付けを始めるが、何も言ってこないクリストフ。私が、休憩をとっていないことを重々知っているのに…
また私の良心と、ひ弱な心が利用されるのか…
モヤモヤし始めた。
あ!言えばいいって言ってたのは、クリストフだ!
え…でも、そんなこと言ったことない…このぐちゃぐちゃの店を前にして、そんなことを言うなんて…出来ない…どうしよう…
いや、待てよ。休憩をとれていないのを知っているのに、何も言ってこない雇用主なのだから…
ま、いっか。
てか、自分を守る為に、この状況をなんとかせねば。
「今日、休憩全くとれてないから、早めに帰ってもいい?」とにこやかに、わざと、お客さんの横で聞いてやった。
そんなの、帰っていいよ?って言う以外の答えは、フランス人から見たら無い。
何故なら、休憩をとれていないという事は、フランス人にとっては、非常に重大なこと、だからだ。
そして、クリストフにとって、
お客さんからクールな雇用主、クールなクリストフと見られることは、彼にとって世の常識より重要なこと。
なんとなく、気まずそうな顔をするクリストフ。
流石に、給料のことは言わないけれど、悪質なこと、劣悪なことは、にこやかにあの人の客の前で言うことにする。状況と労働環境、非常識な書類と契約の経緯、これ以上悪くならない為に。
でなければ、
外国人の私は、フランス社会では弱者で、
私の言葉は、事実を下回ってしまう。
自分を守る術は、三刀流あっても、フランスでは間に合わない。
今まで、きちんと言える人へ憧れてきたが、自分はそうなれなかった…というか、ならなくても、なんとか帳尻があっていたんだと思う。
声が上ずらず、手が震えず、
冷や汗が出ずに、きちんと、帰りますと言えた自分の成長を感じた日になった。