私が19時より前にサロンを退社することも、
休憩を30分以上とることも、不可能だ。
手が空いた時は、クリストフの仕事を見るか、
几帳面・潔癖症なクリストフが目を光らせているので、ずっっっと掃除…
私は美容師の中でも、掃除が好きな方だけど、
そんな私に、ごちゃごちゃ言ってくる。
感謝じゃなく、小言。
この人が旦那だと、大変だろうなーと思う。
現に、いつも手作りの愛妻弁当…(パスタじゃなくて、手作りのピラフ・タルト・タブレ)私の契約書の処理も嫁さん、店の工事の手伝い、子供の世話も嫁。
給料は35時間分だけど…実労は40時間だ。
毎晩、19時45分に家について、立ったまま茶碗をかけこんで、20時には就寝。
なんか、でも、もっと上手くなりたい。
カットや刈り上げも、もっと上手くなりたい。
先日、労働環境に不安で一杯になり、gestionnaire de contrat のおじさんに問い合わせた。
私とクリストフが話をしていたおじさん。
私達が労働契約書にサインをしてから、なしのつぶてだった。
電話口、
あなたの労働条件は、決して悪いわけじゃないよ…と。
そういう相談も含めて、学生証をもらいがてら、学校の校長に会いに行って…と。
戸惑い過ぎて、髪もとかさず、エクスへ行った。
学校の受付で座って待つ私に声をかけてきた女性…校長だ。
私の話を聞くなり、一言。
「あなたは誰?あなたはここに何しにきたの?私達はあなたが学校に入るなんて、あなたの名前すら知らないよ」と。
え
フランス…
申し込みはしたの?あなたは学校に入るの?
あなたの年齢では、本当は無理よ…
と言われ、経緯を話し、
Contrat d'apprentissage に、両名のサインをし提出も済ませていること、
それを誘導したのはgestionnaire de contrat であることを告げた。
その時、おじさんから校長へ電話が入る…
「Mon chéri ça va??」
え!カップルなん?!
電話口、目の前で私の存在を初めて説明するおじさん。いい加減が過ぎる…
校長によると、
ー私の年齢で、見習いの契約をしてくれるオーナーとの出会いは、そうとう稀で、ラッキーなこと
ー見習いの労働環境は、私のより酷く、休憩をとれないこともザラ。(前回まで勤めた美容室の、休憩は少なくとも1時間以上…というのがクールなだけ)
ーフランスであっても、過去には週に45時間労働ということも頻繁であった。
ー全ての時間、メモをとり、月末、交渉する権利が私にある
ー最悪、三者面談(校長・クリストフ・私の)で、状況改善の為の面談を出来る
なんか、少しだけホッとした。
クリストフはやみくもなオーナーでもないようだし、
エクスの中では、良い美容室に入れたなーとは思う。
ここは悪名高きエクサン・プロヴァンス。
クリストフのしてくれてる事や言葉、このチャンスは本当に有り難い。
邪心と不安を捨てて、邁進しようと思う。
六月、久し振りにヘアセットの予約を受けたから、練習を再開した。
「美容師」ということに、今は集中したい。
上手くなりたい。