【9:00】
コツコツコツコツコツコツ…
急いでいるような足音が響く。
「た、確か角を右に曲がって突き当たりを…」
焦っているような、落ち着こうとしているような…そんな声が廊下に響く。
角を右に曲がり、しばらく歩くと突き当たりが見えた。
ここを左に曲がって階段を登れば会議室だ。
そう思い、突き当たりを曲がろうとしたその時。
「うおっ?!」
「きゃっ!?」
【ドンッ!】
角から出てきた人物とぶつかってしまった。
「あいたたた…」
軽く後ろに吹っ飛んでしまった優は受け身を取った時に右腕をぶつけてしまった。
「あ、おい!大丈夫か?!」
そう心配そうに呼びかける声に覚えがありながらも、ぶつかったショックでまだ優はパニック状態だった。
「大丈夫です…申し訳ありませ…ん…」
顔を上げてやっとぶつかった人物が誰か気が付いた。
珍しい銀髪と赤い瞳…
「プ…プロイセン様…!」
プロイセンは申し訳なさそうに
「あー、悪いな。
アントーニョが忘れ物したらしくてよ、取りに行こうとしてたんだ。」
と言った。
「いえ、私こそ前方不注意でした。申し訳ありません…」
プロイセンに手を貸してもらい、優は立ち上がった。
それよりも…自分の忘れ物を人に取りに行かせるスペイン親分って…
そんな事を考えながらプロイセンの格好を見ると
上着はボタンを止めずに開けて、ワイシャツは第二ボタンまで開けて、ネクタイは緩められている。
「…………不良か!!」
思わずツッコミを入れてしまった。
「ケセセッ!優、元の口調に戻ったな!」
「あぁ!こっちに来てから嬉しくて我を忘れてたから今日は気をつけようと思ってたのに!」
優は悔しそうに頭を抱える。
「ケセセッ!まあいいじゃねぇか、俺はいつもの口調の方が好きだぜ?」
「っ!」
頭の中で【好きだぜ?】の部分だけ強調されて聞こえてしまう。
録音しておけば良かったと今更だが後悔していた。
「べ、別にプロイセン様の為に喋ってる訳ではありませんから!
あくまで私がこういったイメージで居たいだけであって…」
「んー…
きつい口調のツンデレキャラか?」
「いや、違いますよ?!
なんでそうなるんですか?!
てか、なんでその単語を知ってるの?!」
「いや…日本から…」
「祖国様ぁー!」
と、ひとしきり騒いだ頃には話し終わったハンガリーとイギリスが優のいる所まで追いついて居た。
【9:05】
「ん?優…まだここに居たのか?」
「あ、イギリス様!」
呆れているような声が背後から聞こえ、振り返る。
「凄い騒いでるなぁ~とは思ったけど、優ちゃんだったのね。」
「いや…それは…」
微笑ましそうに2424としているエリザ姐さんに優は苦笑いしか出来なかった。
「げっ!ハンガリー…」
ウンザリとでも言いたそうな表情で呟いたプロイセンの言葉をエリザは聞き逃さなかった。
「なんですって?
もう一度言ってみなさいこのバカイセン!」
「んなっ?!
朝っぱらからハンガリーの顔を見ちまったから本音を言っただけだ!」
あぁ…喧嘩が始まった…止めないと…
そう思いながら優はエリザとプロイセンの間に割って入る。
「あぁ…2人とも廊下で喧嘩はやめてください!他の方々に迷惑がかかってしまいます!(ふぉぉぉ!!ギルエリ!ギルエリやぁぁぁあぁぁぁ!!萌え!萌え!萌える!!)」
それを見ていたイギリスが優に言いにくそうに言う。
「あー、優。
…本音がほとんど見えてるぞ?」
「えぇ?!
そ、そんな…()の中を見るなんて技…どこで習得されたんですか!」
「いや…日本から…」
「祖国様ぁー!」
【9:10】
「うおっ?!
流石にもう会議室に行かねぇとマズイぞ!」
腕時計を見たイギリスが慌てて言った。
「あら、本当だわ。
バカイセンを懲らしめてる場合じゃないわね。
優ちゃん、急ぎましょう!」
「あ、はい!」
イギリスの言葉に先へ進んだエリザの後を追いかけ、優も先へ進む。
「俺様はアントーニョの忘れ物を取りに行くから遅れるってヴェストに言っといてくれ!」
「ああ、分かった。」
そう言ってプロイセンは走り去って行った。
廊下には1人、人影が佇む。
「…スーツも似合うじゃねぇか…」
そう呟いた言葉は静かになった廊下に消えていった。
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はい!久しぶりにプロイセン登場です!
最後に呟いたのは誰なんでしょうね?(24242424)
まあ、そこはご想像にお任せします!
それではまた次回お会いしましょう!
o(`ω´ )o