足を踏み入れると静かな通路に足音が良く響く。
薄暗い通路を歩いていると、お化け屋敷などを連想してしまい少し心細くなる。
ほんの少し震える足…だが、好奇心が足を止める事を許さなかった。
通路は意外と短く、3分も歩くと木でできた扉にぶつかりそうになった。
「?!
…びっくりした…
この扉の先にプロイセンの歴史とやらがあるのね…。」
開けようか、戻ろうか…。
好奇心と良心が心の中で戦う。
数十秒ほど扉の前で開けるか引き返すか迷った後、覚悟を決めて思い切って扉を押す。
すると意外にも扉は軽々と開いた。
「…あら?なんだか拍子抜けね…鍵でもしてあると思ったのに。」
容易に開いたのに驚いたハンガリーはもしかしたらこれは何かの罠でプロイセンが何処かで見ているのではないかと不安になった。
だがすぐに考え過ぎだと思い、扉の先へ進んだ。
薄暗い部屋には本棚がいくつも取り付けられていた。
ハンガリーは本棚に近付き、本の表紙を読んだ。
その表紙に書かれた文字は何百年も前に書かれたようで、詳しくは読めなかったけれど、どうやら「俺様日誌~~~~冊目」と書いてあるようだった。
その文字の書き方は何処かで何度も見た書き方で、一瞬で「あいつ」が書いたのだと分かった。
「……随分沢山あるのね…。
まあ、あいつは変なところでマメだから納得だけど。」
ハンガリーは目の前にあった日誌を手に取って適当にページを開き、ペラペラと何ページか飛ばしつつ読んだ。
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「俺様日誌___日目」
今日も俺様はかっこいい。
あとハンガリーの奴が妙にしおらしくなってた。
つまんねぇ…。
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「俺様日誌___日目」
今日も俺様はかっこいい。
ハンガリーの奴がオーストリアの野郎と仲良くしてやがった。
なんか気に食わねぇ。
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「俺様日誌___日目」
今日も俺様はかっこいい。
ハンガリーの奴が今度、オーストリアの野郎と合併するらしい。
そうし聞いたらなんかモヤモヤして来た。
風邪でも引いたか?
体調管理には気を付けないとな…。
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「俺様日誌___日目」
今日も俺様はかっこいい。
フランスに相談したら2424された。
なんなんだ?
それに最近はモヤモヤするだけじゃなくて胸の辺りがチクチクして苦しくなるんだ、本格的に病気かもしれねぇ…。
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ここまで読んでハンガリーは一回読むのをやめた。
「これ…「あの時期」の事…よね…」
日付は色あせて読めないけれど、忘れもしないあの時期…
自分が女だと知って驚愕した時期
少しでも女性らしく振舞おうと努力し始めた時期
オーストリアさんとの合併結婚が決まった時期
それを聞いたプロイセンがやけにショックを受けていたあの時
「…なんで何千冊もある日誌の中からこの時期のを引き当てちゃうのよ…。」
ハンガリーはボソリと呟く。
その姿を見ている人物が居る事に気が付かずに___
次回予告
人物の行動を見ていた人物と遭遇したハンガリーは___
「問い」