こんにちは。培養部です。

2024年5月に開催された、第65回日本卵子学会に参加しました。

培養士便りは⑨まで重ねてきました。

今回はそもそも「学会に参加するとは?」 という初めの一歩についてお話したいと思います。

 

(Q) 学会とは?

ざっくり言えば、特定の分野に興味をもつ人を対象にした集まりです。卵子学会で言えば「卵子」に興味がある人達の集まり、ということになります。学会では1年に1回、特別講演や教育講演、シンポジウムを行ったり、各病院・クリニックの研究を発表したりする大きな勉強会を開催します。これを学術集会と言います。学会に参加する=学術集会に参加する、という意味になります。

 

(Q) 卵子学会の規模は?

各種学会ごとに規模は当然異なります。

現地開催での卵子学会は4つほどの大きな会場(フロア)で同時進行に様々な講演が開催され、さまよいながら興味がある講演を聴きに行きます。私は、卵子学会に初めて参加したときは規模の大きさに圧倒された思い出があります。さらに7~8つのフロアで、同時進行するさらに大きな学会もあったりします。

院長からは、いろいろなフロアを回ってバタバタして1日が終わってしまうくらいなら、「ここ!」と決めたフロアの最前列に座り、丸一にそこで発表される講演を聴き続ける事を勧められます。「1講演聞いたら必ず質問するようにするといいよ!」と言われたりします。

 

(Q) 新型コロナウイルス感染拡大に伴い学会の開催形式はどうなった??

学会によってはコロナ禍よりオンデマンド配信でWEB上からでも参加できるようになりました。今年の日本卵子学会は神戸で2日間開催されましたが、わたしは新潟にいながらオンデマンド配信で講演を聴くことができました。現地での交流はできず、配信される講演会の数も限りがあります。ただ、先述したように、現地開催のみですと各フロアで同時並行で講演があるため、聞きたい講演の時間帯が重なるとどちらかの講演の聴講を選ばねばなりません。オンデマンドでは、どちらも聴講できるメリットがあり、この点はとてもうれしいです。

最近は、現地開催のみの、旧来の開催方式に戻している学会もあると聞きます。

開催方式には一長一短あり、今後も主催者側の頭を悩ませる課題になりそうです。

 

(Q) 卵子学会に特徴的な講演があるの?

日本卵子学会では毎年、「倫理講習会」という講演があります。この倫理講習会ですが、卵子学会の認定資格「生殖補助医療胚培養士」の資格更新のために5年内に2回は受講をしなくてはいけない決まりがあります。

卵子学会は、生殖補助医療胚培養士の資格を目指したり、資格更新をする必要がある培養士にとって常に意識する必要がある重要な学会です。

 

(Q) どんな講演が印象に残った?

今年の倫理講習会は、公衆衛生学の先生による不妊症の生涯有病率(不妊を経験したことのある人口の割合)に関する研究の講演と、法学部の先生による生殖補助医療の法規制に関する講演でした。難しい内容でしたが、後半の講義では、法規制の歴史から、特別養子縁組や死後生殖、代理懐胎、同性婚をみとめる近年の動きまでわかりやすく説明してもらいました。

 

近日中に、他の培養士より卵子学会のレポートがアップされる予定です。

今回は、この辺までの記載にとどめておきます。

今後の培養部便りを是非お楽しみに!