新文芸坐で映画を観たあと、池袋から山手線に乗って新橋へ。内幸町ホールにて8月8日に行われる、紙切り芸人・林家二楽師匠の独演会『二楽劇場』チケット購入。


雷鳴が轟く中、成人映画館・新橋ロマン劇場へ移動。来月末での閉館が決定している。ココは環境も良くフィルム上映でピンク映画が楽しめる貴重な劇場なので、本当に残念で仕方ない。本日は場内にレディースシートを設けている。

201407271516002.jpg

そんなわけで、本日は「にっかつロマンポルノ」3本立て。最初に観る作品は、鈴木則文監督の映画である。先ほどの新文芸坐に引き続き、則文追悼特集延長戦開始!

201407271515000.jpg


『堕靡泥の星 美少女狩り』(1979/日活/100分)

ある雨の夜、神納康久の家に殺人犯・蛭川が押し入る。蛭川は康久の前で妻とき江を強姦、その様に嫉妬した康久はそれ以降、妻に対し異常性交を求めるようになる。

とき江は蛭川の子供・達也を出産。達也が物心ついた頃にとき江は自殺。康久の日記を読んだ達也は殺意を覚え、海でトローリング中に康久を海中へ投げ捨てる。康久の死は事故として片付けられた。

神納家の莫大な遺産を引き継いだ達也は、相続権が発生する年齢まで大人しく暮らし、ようやく大金を手に入れた時、胸の中に潜ませていた悪の紋章「ダビデ」を輝かせ、金を使って悪事の数々、異常性欲を満たしていくのだった…。


『青い獣ひそかな愉しみ』(1978/日活/75分)

東大受験を控えた秀一はノイローゼになっていた。秀一の実家は肉屋を営み、父はうだつの上がらない痩せた男、母は店の従業員と肉体関係を持っていた。そんな秀一はある晩、自分が勉強している最中に両親が夫婦の営みを行おうとしていた事に腹を立て、家の中で大暴れ。それ以降、秀一のヒステリックは過激さを増していく…。


『ルナの告白 私に群がった男たち』(1976/日活/67分)

1970年代初頭に活動したハーフタレント・高村ルナの体験を基に、彼女を通り過ぎて行った芸能界の男たちを実録風に追ったロマンポルノ。高村ルナを本人が演じる。

ルナがジャズ喫茶で踊っていた時、偶然その場に居合わせた男の目に留まり、芸能界入りを勧められる。その男は数々のスターを生み出した敏腕マネージャーだった。

ルナは『ゴールデンハーフ』のメンバーとして活動し、ヒット曲「黄色いさくらんぼ」が彼女の交友関係を広げてくれた。芸能界の男たちと数々の関係を持ち、やがて人気に陰りが見えてきた頃、人気歌手Kとの結婚を意識する。だがKには、その気は全くなかった。

201407271516000.jpg

見ていて精神的に疲れる作品ばかり(笑)。最初の『美少女狩り』は漫画が原作。漫画を読んだことはないが、則文監督は漫画を忠実に再現した映画を撮る方なので、おそらく寸分たがわぬ内容だろう。

家庭内暴力を描いた『青い獣ひそかな楽しみ』は、ロマンポルノというわりに絡みの描写が少なめ。ただ、映画としては実に面白い。

『ルナの告白』は高村ルナさん本人が、自身の経歴を演じているのが興味深い。この仕事を受けたのは、話題作りだったのだろうか?


とにかく、こういう映画を上映してくれるこの劇場が無くなってしまうのは、本当に残念だ。来月の閉館まで、なるべく足を運ぼう。

201407271516003.jpg






10月から「渋谷ユーロスペース」他で公開される、ピンク映画界の大御所「ミスター・ピンク」こと、池島ゆたか監督初の一般映画

『おやじ男優Z』予告編

『おやじ男優Z』FACEBOOKページ

『おやじ男優Z』ホームページ

『おやじ男優Z』アメーバブログ

演芸評論家・木村万里プロデュースライブ『渦』グルっぽはコチラ