治験終了 | 神経芽腫の娘のこと

神経芽腫の娘のこと

2017年12月3歳9ヶ月、小児がん神経芽腫と診断され、再発を繰り返しながらも懸命に生きた証、治療や娘との大切な時間をどう過ごしたか、それからの事、子どもを亡くした母親の気持ちを綴っています。2023年2月14日永眠。アメンバー申請の際は自己紹介メッセージをお願いします


2023年7月末


2コース目も全て薬を飲み切りました。



息子の様子はというと、



以前と比べると胃の痛みを訴える事は一度もありませんでした。



朝のムカつきも、時々あるけど、軽度。



朝も学校まで車で送る事もなく、



学校も休まずに行けました。



私からみる感じでは、数ヶ月前より良くなっている気がしました。



息子は自分でも、症状日誌に前より良くなったという欄にチェックしていました。



薬が効いている?



もしかして最初の1ヶ月は偽薬だったのかな?



そんな様子で病院へ。



最初に計測と採血と検尿。



『今日の人は痛くなかった。うまかった。』



と、言えるぐらい、息子は採血にも慣れてきました。



そして、消化器内科を受診。



『よく頑張ったね!!ありがとう!』



と先生から言われ、息子は照れながらも嬉しそうでした。



『調子どう?』と聞かれ、




『マシになってる気がする。胃が痛いのはなくなった。』



という事を話していました。



『それはよかった!薬効いてるのかもしれないね!



効果が現れているようだったら、



この薬、継続して処方する事ができるんだけど、



どうする??



もう治験じゃないから、毎日絶対飲まないといけない事もないし、



日誌も書かなくていいから続けてみようか?』



と、先生から言ってもらい、息子は、



『わかった。そうする。』



と、言って、継続することにしました。



そして、学校で飲むのは大変だったので、



1日3回のところを朝夕の2回に減量してもらいました。



そして、CRCさんからも、



『風邪もひかず、本当によく頑張ったね。



ありがとう。



〇〇くんが頑張ってくれたことは、



また違うお友達の役に立つからね。』



と、言ってもらい、



このようなキーホルダーを頂きました。


『しーちゃんみたいだなって思って。』と。




そして、主治医と息子と私と3人で記念撮影をし、



このような感謝状まで頂きました。




(娘の写真も小さく一緒に)




『学校の通知表より嬉しい!』



と言って、息子は感謝状をとっても嬉しそうに眺めていました。



この2ヶ月間、風邪をひいてはいけない。



他の薬も飲めない。



毎日、食前に3回。



というのがプレッシャーでもありましたが、



見事、完遂できたことにホッとしたし、



息子の体調も良くなってる気がしたのが何よりも嬉しい。



学校で飲むのも大変だっただろうし、よく頑張ったね。



娘も治験に参加した経験もあり、



息子までも参加させてもらえた。



こんな経験って人生でそうないと思う。



この先に待っている誰かの役に立つのかもしれない。



何か意味があるのかもしれない。



娘が引き寄せてくれたのかな。



娘の力が動いたのかな。とまで思う。



そう思うととても嬉しくなりました。



2人とも、本当に頑張り屋さん。



きょうだい揃って、目に見えない誰かの役に立てたことは、



母親として、こんな喜びはありません。



こんな子どもたちの母親になれて誇りに思いました。



そして、この日は、偶然にも、娘の主治医や血液科の先生に何度もバッタリ会い、



帰り間際にも再び主治医に会い、



息子は、『ママ、先生にこれ見せたい!』



と、言って、



もらった感謝状を、娘の主治医に嬉しそうに見せていました。



『すごい!こんな感謝状までくれるんですね。



〇〇くん、よく頑張ったねぇ。』



と言ってくれて、息子はまたそこでも嬉しそうにしていました。



娘がいなくなっても、



こうして娘の主治医とも気兼ねなく話せるこの環境は、



とっても有難いですし、嬉しいです。



ご心配をおかけしましたが、息子もそれなりに元気に過ごしています。



体調に波はもちろんありますが、学校を休んだり早退したりといった、



生活に支障をきたすような状態ではありません。



今は夏休み中という事で、精神的にも穏やかに過ごせているのかもしれませんし、



あの時は娘が亡くなったすぐだったから、



やっぱり精神的なことが大きな原因だったのかもしれません。



それは、わかりませんが、



薬を飲んで悪化しておらず、



症状が緩和しているなら、それに越した事はありません。



ということで、息子の治験のお話はこれで一旦終了です。



また今月末に、治験終了後の評価の為に病院へ受診なので、



息子のことも時々書こうと思います。



息子のお話を読んで下さり、ご心配いただき、ありがとうございました。



そして、、



本日は娘の6回目の月命日。



好きだったバラで華やかに。




今日は、初盆ということで、少し集まります。







あなたも、遠い遠いアメリカで、4ヶ月間、治験がんばったもんね。


堂々と、胸を張っていいと思う。



とても貴重で、とても良い思い出。




二人とも本当に自慢の子どもたち。