複雑なこと | 神経芽腫の娘のこと

神経芽腫の娘のこと

2017年12月3歳9ヶ月、小児がん神経芽腫と診断され、再発を繰り返しながらも懸命に生きた証、治療や娘との大切な時間をどう過ごしたか、それからの事、子どもを亡くした母親の気持ちを綴っています。2023年2月14日永眠。アメンバー申請の際は自己紹介メッセージをお願いします


2022年9月


今、娘の置かれている状況。





入院中、複雑な気持ちになるような場面が何度かあります。





『お家の時間を大切にして、やりたい事、行きたい事、なんでもいっぱいしておいで』





という言葉。





積極的治療をしている時は、





『感染に気をつけないといけないので、一時退院中は極力外出を控えて』





と、口酸っぱく言われていましたが、





今はそんなこととは真逆で、





思う存分楽しんでおいで。という言葉。





コロナが蔓延し出し、一時退院が禁止された時期もありました。





そんなルールは、娘にはなく、





「〇〇ちゃんはこんな状況だから、特別に一時退院の許可を出します。」





と…。





わかっているんです。とっても有難い話なんです。





こんな状況で一時退院もできないなんて、辛い時間になるだけ。





先生方からの優しさなんです。





しかし、当時は複雑でした。





まだ現状を受け入れる事ができていなかったから。





娘の状況を知らない親御さんからすると、





「なぜ、〇〇ちゃんちは帰れるの?」





「一時退院出来ていいな。」





と、なっていたでしょう。





「え?帰れるの?なんで?」





なんて、言葉を掛けられると、どう答えていいか、





答えたくありませんでした。





それから、もう一つ複雑な事。





『予防的な内服薬は飲める時でいいよ。』





と。





内服薬が苦手な娘からすると、これも有難い話なんです。





娘は、フルコナゾール(カビ予防)、チラーヂン(甲状腺ホルモン)を毎日と、





ダイフェン(肺炎、感染予防)を朝夕、週3回飲んでいます。





内服薬に関しては、割と厳しく、





積極的治療中は、寝てても起こしてまで飲ませないといけなく、





30分以内に嘔吐した場合、飲み直しでした。





『飲めないと鼻に管をいれないといけないよ。』





と、まで言われ、内服薬と1時間、2時間、闘った事も何度もありました。





そんな今は、





『フルコナもダイフェンもあくまで予防薬だしね。





無理な時は特別にスキップでもいいよ。





チラーヂンは予防薬ではないから、できるだけ頑張って飲んでね。』





と、これらもまた昔の状況とは変わりました。





決して、投げやりとか、もういいんじゃない?





と、いう諦めではなくて、





先生の優しさなのは重々わかっています。





出来るだけ、本人にとって苦痛な事は避けたいし、





色んな所に行って、色んな事を経験して、楽しい思い出をいっぱい作りたい。





と、私も思っています。





ただ、この状況の「特別」というのは、複雑な気持ちになったりします。