きょうだいへの告知のタイミング② | 神経芽腫の娘のこと

神経芽腫の娘のこと

2017年12月3歳9ヶ月、小児がん神経芽腫と診断され、再発を繰り返しながらも懸命に生きた証、治療や娘との大切な時間をどう過ごしたか、それからの事、子どもを亡くした母親の気持ちを綴っています。2023年2月14日永眠。アメンバー申請の際は自己紹介メッセージをお願いします


前回のつづきです。



息子は小さい頃は、母親から離れるのがとても苦手なタイプで、





幼稚園も不安ながら通っていました。





そして、妹思いの優しいお兄ちゃん。





そんな優しいお兄ちゃんの事を娘も大好きなのです。





自慢の仲良し兄妹なのです。





3年前に再発した時、突然、娘が痙攣を起こし、





倒れ、救急車で運ばれました。


その一部始終を間近で見ていたお兄ちゃんは、





今でもその話をすると、思い出して泣き出します。





『妹がどうなるのか怖かった』と…





そんな息子が、普段、母親も妹も居ない中、





幼稚園の年長の途中から、5年間ずっと離れてがんばっています。





息子は、登校拒否をする事もなく、





みんなと同じように、学校にも行って、





お友達にも恵まれ、楽しそうに遊んでいます。





そういう話を担任の先生から聞くと、





寂しいはずなのに、息子なりに一生懸命頑張っているんだなって思います。





だから、妹の現状を知ってしまうと、





そんな息子らしさがなくなってしまうんじゃないか。





余計に不安な日々を送らせるんじゃないか。





まだ小学5年生のこどもに、今、この現実を告知するのは、





やっぱり残酷過ぎるのかな…





という、思いになり、





どうすべきか未だ正解がわかりませんが、





きっと、そのタイミングは、まだ今ではない。





10歳のこどもに背負わすには重た過ぎる…





と、こんな大事なことを、10ヶ月、ずっと悩みながらも、そう決めています。





きょうだい児への悩み。





告知だけに限らず、色んなことが一生の課題なのかなと思います。





有難い事に、名大病院は、きょうだい児へのサポートにも力を入れており、





家で待っているきょうだいも頑張っているんだよ。忘れていないよ。





という想いで、きょうだいの会というイベントが年に2回あります。





息子も毎回楽しく参加しており、有難い取り組みです。





私がきょうだいの事で悩んでいる事を知った受け持ちの看護師さんは、





その、きょうだいの会を率いる、名古屋大学の看護学科の先生とお話させて頂く場を作って下さりました。





息子とも、きょうだいの会で何度も関わってくれた先生で、息子の事も知って下さっています。





話を聞き、先生は、





『お兄ちゃん、自分の気持ちをちゃんとお母さんに吐き出せているのですね。





少し安心しました。





中には、塞ぎ込んで、言いたい事が言えなくなってしまう子もいます。





お母さんも、気持ちぶつけられて辛いと思いますが、そこはプラスに考えて、





お兄ちゃんの気持ちをこのまま受け止めてあげてほしいですね。』





と。それから、





『もしも、もしもの話ですよ。』





と、お気遣いの前置きをされながら、





『〇〇ちゃんが助からなかった時が来た場合、





残されたお兄ちゃんの哀しみは、





兄妹の共通のお友達が居るか、居ないかで、





お兄ちゃんの気持ちは大きく変わってくる。





今まで出会った方々に、そんな傾向があります。





そのお友達って、今後すごく大きな存在になると思います。』





と、仰っていました。





娘と息子の共通のお友達。





そのお友達は、とても大切な存在なのだと。





恒例にしている集まり。





息子の周りには、そんな心強い仲間たちがいる。





そんな集まりには、色んな願いや想いが込められていて、





こども達にとって、すごく楽しい思い出として残ってほしい。





あんな楽しいことがあったなぁ。こんなことしたなぁ。





って、いつか話せる日が来ると信じて、





来てほしくないけど、もしも、その時が来たら、





「みんなで一緒に乗り越えてほしい。」





という、想いを込めながら、





私も、Uちゃんのお母さんも、ずっと、こども達を見守っています。





哀しみはきょうだいだけではなく、





娘と関わってきたお友達にも喪失感は起きると思います。





簡単に乗り越えれないかもしれないけど、





時間がかかってもいいから、みんなで支え合って生きていってほしい。





そう、願っています。





そして、きょうだいの為のグリーフの会も大阪で最近立ち上がったそうで、





その存在も心強いです。





親のグリーフケアは見かける事が多いですが、





きょうだい児のグリーフケアまでは、なかなか行き届いていないような気がします。





娘が一番頑張っているけど、





息子も、それと同じぐらい、違う形ですごく頑張っています。





それを息子に伝え続けています。



娘が闘病中、どんな気持ちで、どんな事をして過ごしていたか、






こうしてブログに書き残しておく事で、






いつか、息子が大きくなったとき、






妹の病気の事を調べ、






このブログに辿り着き、






妹が頑張ってきた証、






その時の母親のリアルな想いというものを、






このブログを読んで、少しでもわかってもらえる日が来るといいな。






いつか大きくなった息子に読んでもらいたいな。






読んだらショックを受けるかな…。






だけど、いつか読んでほしい。






と、最近はそんな気持ちもあり、書き残しています。




キラキラした内容のブログではありませんし、






読んでいて、感情移入してしまい、辛くなる方もいると思います。






この先に待っているかもしれない辛い事は、






もしかしたら、書けないかもしれません…。






だけど、できる限り、自分が書ける限り、






向き合って、書き残しておこうと思っています。






こんな内容の記事になってしまいましたが、






諦めたわけではありません。






今も、娘は頑張っています。






もちろん、まだまだ大丈夫。きっと大丈夫。






と、信じています。






こんな私のブログをご覧になって下さっている皆さま、





いつもたくさんの応援ありがとうございます。






温かいお言葉、応援メッセージ、すごく嬉しいです。






長文失礼致しました。



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