2020年に猛威を振るった新型コロナウイルスは三、四年かけてやっと収束したと言える状態となったが、2020年当時は世界中の人々が未知のウイルスに対する恐怖に怯えていたと思う。

 

 

 

まだ爆発的感染になる前の初期段階から、電車で咳をしている人に対して別の客が「電車から降りろ」と怒鳴り、客同士のトラブルになった例はいくつもある。

 

 

 

それは未知のウイルスから身を守りたいという人間の生存本能に照らし合わせれば当然の反応であるが、例えばネットニュースの記事の中には、不安を必要に煽るようなものも多く、また当時はコロナとの共存、共生という言葉がブームになっていた。

 

 

 

 

 

こんな恐ろしいウイルスと共存しなければならないのかと人類皆絶望していたが、ただ一つ言えることは、ウイルスが人間を絶滅させてしまうようなことは基本起こり得ない。

 

 

 

 

 

 

なぜなら、ウイルスも生き物であり、そうである以上自らの種を末長く繁栄させることが目的だ。

 

 

 

 

 

 

感染者に咳をさせるのも、ウイルス自らを遠くに飛ばすことで別の人間にも寄生し、生き残るためだ。

 

 

 

 

 

であるならば、貴重な寄生先である人間が自分たちの毒性のせいで次々死んでしまったら、ウイルス自身の寄生先を失う=絶滅に向うということであり、それは生物の本能に明らかに反する。

 

 

 

 

 

コロナウイルスが変異するたびに、致死率や毒性は弱まるが感染力が上がるのはそれが理由だ。

 

 

 

 

 

変異というのはウイルスの進化であり、進化の目的は自らの種を末長く存続させることだ。

 

 

 

 

コロナウイルスは大きく分けてアルファ株からデルタ株へ、そしてオミクロン株へと変異していったが、その度に毒性は弱まっていった。

 

 

 

 

そしてオミクロン株以降、細かく分類すれば変異しているものの、別名がつくほど大きく変わっていないのは、コロナウイルス君が「今の毒性が人間を殺さない程度の丁度良さなんだな」と学習し、これ以上変異する意味がなくなったからだ。
 

 

 

 

アルファ株の致死率はオミクロンと比べても明らかに高かったが、それでは寄生先がパタパタ死んでしまうため自らの種の繁栄を危惧したコロナウイルスが、自らの毒性を弱めるように進化したのだ。

 

 

 

 

 

実際にこれと似た話として、一昔前、オーストラリアでは野うさぎが作物を食べてしまうことが社会問題となっていた。

 

 

 

 

 

それに対して政府は、ウサギに感染するウイルスをわざと国中に撒き散らし、害獣である野うさぎを駆逐しようと考えた。

 

 

 

 

 

実際に一年目は思惑通り野うさぎが次々に死んでいったのだが、2、3年目以降、なぜかウイルスが効かなくなった。

 

 

 

 

野うさぎが免疫を獲得したのかと思い調べたがそんなことはなく、逆にウイルスを調べてみると、面白いことにウイルスが弱毒化していたのだ。

 

 

 

 

自らの毒性が寄生先である野うさぎを駆逐してしまっていることを危惧したウイルスが、寄生先を殺さない程度の毒性を持つよう自らを弱毒化させることで進化したのだ。

 

 

 

 

 

従ってタイトルにもある通り、ウイルスが人間を滅ぼしてしまうというのはホラー映画の中の話であり、現実ではあり得ない。

 

 

 

 

 

生き物の根本的な欲求は種の繁栄と存続であり、そのために進化を続けてきた。それは、ウイルスも例外ではない。