まともなニュースサイトで情報を得ている人たちにとっては、日本のテレビやネットニュースから垂れ流される情報の低質さに辟易しているだろう。(僕のおすすめのニュースサイトは日経電子版、ロイター通信、ウォール・ストリートジャーナルだ)

 

 

 

 

Yahoo!○ースやめざ○しテレビ、報道○テーション、ス○ートニュースなどで報じられているものを「ニュース」だと思って毎日読んだり見たりしている人には申し訳ないが、あんなものはニュースというよりゴシップ記事に近い。

 

 

 

 

 

少し前に某報道○テーションを見ていた時、どこかの田舎の温泉が、本来は最低でも週一回は湯を交換しなければならないところを、数ヶ月間変えずに営業していたといったニュースが報道されていたが、一体そんなくだらん噂話をどこから仕入れ、またなぜそんな深刻そうな顔と声で報道するのか、見ているこちらが恥ずかしくなるような番組の出来だった。

 

 

 

 

 

 

最近の日本人は流石に情報リテラシーが高くなってきているため、アホくさいニュースばかり流すマスコミをマスゴミなどと不名誉極まりないあだ名呼ぶなどして対抗しているが、そもそもなぜ日本のメディアは飽きもせずくだらない情報ばかり垂れ流すのだろうか?

 

 

 

 

 

 

結論から言うと、質の低い情報ばかり垂れ流しても問題ない理由は、視聴者はその程度の質でもありがたがって群がってくるからだ。

 

 

 

 

 

というかむしろ、難解な経済用語と小難しい統計ばかり使用した記事やニュースよりも、ばかばかしいゴシップ記事の方が需要があるからであり、従ってそんなものに需要を見出す視聴者側に責任がある。

 

 

 

 

 

なので、メディアの報道内容を変えたいのであれば、それを視聴する我々が変わらなければならないということだ。

 

 

 

 

具体的には、巷でよく言われているように「批判的思考」の観点からニュースを見ること。

 

 

 

 

統計やデータを使用せず印象操作だけでゴリ押すような番組に対して、その番組の意見をそのまま鵜呑みにするのではなく、「彼らの言っていることは本当だろうか?」と自ら疑い、自らデータを探してきて業況を数字で客観的に見る力を養う必要がある。

 

 

 

 

 

またそれを、みんな大好きSNSに「〇〇というニュース番組で放送されていた内容はデータを見る限り明らかに間違っている」と言った投稿をして、世間に知らしめる。

 

 

 

 

そんな投稿がSNSでバズるようになれば、メディア側も高情報リテラシー国民向けにもう少しマシなクオリティーの情報を報道するようになるだろう。

 

 

 

 

これを可能にするには、あらゆるデータに対して国民が簡単にアクセスできるようなインフラが整えられる必要があり、またそのデータは一目で理解しやすいようにフォーマットを工夫する必要もある。

 

 

 

 

 

例えばメディアの報道と現実のデータがかけ離れている例として、「物価高騰により国民の生活が苦しくなっている」という報道。

 

 

 

 

全く間違っているわけではないにしても、総務省もしくは野村総合研究所のデータによると、日本で不動産を除く金融資産を一億円以上保有している世帯は148万世帯と、全体の2.5%、つまり40世帯に1世帯の割合で存在する。

 

 

 

 

そしてその世帯数は年々上昇傾向にある。

 

 

 

 

貯蓄だけで一億を貯めた人はおそらくあまりいないだろうから、それは投資を通して蓄えられたものであると考えられる。

ちなみに1億円を年4%で運用すれば年間400万円の配当金なり株価上昇益を確保できることになる。

 

 

 

 

1億円で1/40世帯いるということは5000万円に幅を広げればもっと多くなるだろう。

5000万円を年4%で回せば年間200万円が受け取れる。

 

 

 

 

資産2000万円以上の世帯は23%と、5世帯に1世帯の割合まで増加する。

(ただこの数字に関してはソースごとに若干の差があるため正確な数値は不明)

 

 

 

 

つまり統計を見る限り、僕の目には数%の物価上昇で苦しんでいる人がそんなに大勢いるようにはどうしても思えない。

 

 

 

 

 

もちろん、物価上昇で購買力を奪われている人がいることは事実だし、日本人はみんな豊かだというつもりはない。(統計上、貯金が50万円あるだけで世界のお金持ちランキング上位50%に入れることになるため、実際日本人のほとんどは世界基準で見ればめちゃくちゃ裕福なのだが)

 

 

 

 

 

要は、現実はニュースで報道されているほどひどくはないことが多いということだ。

 

 

 

 

 

 

『FACT FULNESS』(ハンス・ロズリング著)がこれほどのベストセラーになったのは、客観的なデータをもとに世界はみんなが一般に思い込んでいるほどひどい状況ではないことを教えてくれているからだ。

 

 

 

 

 

このように、メディアのアホくさい報道や記事に立ち向かうには、「そんな記事を書くな」と注意するのではなく、そんな記事に対する需要を減らすべきであり、そのためには信頼できるデータをもとに世界を正しく捉える能力=情報リテラシーやメディアリテラシーの向上が喫緊の課題なのである。