※人によっては少々不愉快な内容ですのでご了承下さい。

 

 

1990年初頭、日本経済はバブルが崩壊しどん底に落ちた。

 

 

その後はリーマンショックや東日本大震災、新型コロナ流行等予期せぬ出来事に見舞われたものの、30年以上にわたって我が国の経済は停滞し続けていた。

 

 

しかしながらここ数年で、日本経済は少しづつではあるが上向き始めている予兆が見て取れる。

 

 

 

もちろん原油価格高騰による貿易赤字や少子高齢化など対処すべき問題は山積みであるが、

故安倍元総理が進めていたコーポレートガバナンス改革

世界に類を見ない金融緩和

割と堅調な企業業績や今年から始まった大幅な賃上げ

東証の低PBR企業への改革要求

世界の大手半導体企業やハイテク企業の投資ラッシュ

円建て輸出額が過去2年の間に43%増加し、2022年には7000億ドルと過去最高を記録(日本のメディアは一切報じない)

などにより、あの有名な投資家ウォーレンバフェット氏も日本の商社に多額の投資をするなど、日本経済に関して明るい話題もあることも事実だ。

 

 

この記事を書いている2023年5月19日現在、TOPIXや日経平均がバブル期以来の水準まで上昇している。

 

 

 

ではったいなぜここに来て日本経済は立て直しに向かっているのか、そもそもなぜ立て直すまでに30年もかかったのか。

 

 

 

 

個人的には、この30年という数字が大きな意味を持っている様に感じる。

 

 

 

バブル期まで話を戻すと、当時は学歴や資格があろうがなかろうが誰でも大手企業に続々と入社できる時代であり、現在の水準から見ればあり得ないほどの多額なボーナスをもらっていた。

 

 

 

僕の知り合いに60歳を少し超えたおっさんがいるのだが、彼はバブルの時代に高卒で某N○Cにスルッと入社し、プログラマーとして働いていた。

 

 

 

 

彼に話を聞くと、先も述べたように「バブル期は学歴や資格がなくてもただ応募するだけで誰でも大手に入社することができたし、同僚も高卒なんてザラにいた」と言っていた。

 

 

 

 

 

つまり当時は努力しなくても好景気の流れに身を任せるだけで大企業に入社できた最高の時代だったようだ。

 

 

 

 

その後バブルが崩壊しても、日本はそう簡単に従業員を解雇できない仕組みであり、また能力主義ではなく年功序列型であるため、ここ数十年はバブル世代が会社の中核として働き、経営を握っていた。

 

 

 

従って、本来はそんな大手に入社できる能力を有していない人間が各企業の経営陣に紛れ込んでいた可能性が否定できない。

 

 

 

 

 

バブルが崩壊した後は、就職氷河期の時代が到来した。

彼らは、流れに身を任せるのではなく自力で人生を切り開いていかなければならない時代を生き抜いたため、基本的に努力家が多い。

 

 

僕の従兄弟の一人はもろ就職氷河期世代で、大卒の資格だけでは就職が難しいと判断し大学院まで進んだ。それでも結局職を見つけられず、自営業のプログラマーとして現在も働いている。

 

 

このように、必死こいて勉強し少しでも良い大学、学歴、資格を取得しなければならなかった世代は、総じて努力家であり、有能な可能性が高い。

 

 

 

そして2023年現在、バブル崩壊から33年経ったということは、バブル最後の世代である人達も60近くになっており、企業の従業員に占めるバブル世代の割合はかなり減っただろう。

 

 

反対に、就職氷河期世代が経営陣として会社を指揮できる年代に突入したということだ。

 

 

 

 

これが、日本がバブル崩壊から立ち直るのに30年の年月(バブル世代が氷河期世代に席を譲るのにかかる年月)が必要だった理由に思える。

 

 

 

日本が本当に不景気から立ち直ったのかは今後の経済指標等を長期にわたって確認していかなければならないが、10~15年前と比べると明らかにマシにはなっている。

 

 

 

 

もちろんバブル世代の中にも優秀な人はたくさんいただろうが、社会で生き残るため、食っていくためには自分で考えて行動しなければならない危機感を肌で感じながら生きていた世代と比べると能力差があると考えることは理にかなっている。

 

 

 

 

 

以前、バスの中で就活生が企業とのやり取りのために電話をしていたところ、もろバブル期を生きたであろうおじさんから車内での通話禁止の注意を受けた就活生が「この電話一本が私の人生を決めるんです!バブル期の就活とは違うんですよ!!」と叫んだニュースが一時期話題になった。

普通の人間であれば、リクルートスーツを着てかしこまった口調で電話で話している人がいた場合、例え車内であったとしても「就活生は大変だな・・」くらいの気持ちでスルーできるはずなのだが、自分が就活をしていたのかすら自覚がないほど簡単に就職先を見つけられる状況を経験してしまったバブル世代は一般人とは感覚がずれているらしい。

 

 

 

 

 

一般的に日本企業は変革が遅い(ICT技術の導入やDX化が遅れるなど)と言われているが、それも流れに身を任せることが癖づいているバブル世代特有の弊害のように思える。

 

 

 

能力が無いのに自分には能力があると思い込んでいるモンスター達を二度と生み出さないために、超好景気はもう訪れないでほしいとさえ思う。