ケータイショップに出向くと、3回に1回は老人がイライラしながら店員からプランやスマホの使い方を教わっている場面を目撃する。

 

 

その他、スーパーのサービスカウンターでポイントカードの仕組みを教わっている人や、市役所でマイナポイントについてレクチャーを受けている老人のほとんどはどこかイラついていたり、態度が横柄だったりする。

 

 

 

かといって全老人がイラついてると言われればそんなことはなく、ロイヤリティあふれるお年寄りもたくさんいることは事実だ。

一般的にイラつき老人の多くは言葉遣いがおかしかったり、身なりが見窄らしかったりするが、彼らは一体何に怒っているのか。

 

 

 

僕が思うに、キレる原因は自分が対象の仕組みを「理解できないこと」そのものに対する八つ当たりと、プライドの高さだ。

 

 

 

 

基本的に頭の回転が速い老人はキレにくい。

それは最新のテクノロジーや難解なスマホプランにもすぐ順応できるため、若者や労働人口世代同じ立場で物事を考えられるのだろうし、建設的な対話も可能だ。

 

 

 

だが、学が無いにも関わらずバブルだったがために良い給料を貰うことができ、引退してからはテレビばかり見て過ごすなど、頭の回転が鈍くなる様なことばかりやっている老人は物事を理解するのが遅いため、スマホプランやマイナポイントの説明を受けても脳の処理が追いつかない。

 

 

 

 

もちろん、分からないことそのものを責める気はない。

年をとってから出現したものに順応するのはそれなりに苦労するのかもしれないし、僕でもNFTアートやらメタバースといった最近流行りのテクノロジーについていまいち分かっていない部分は多い。

 

 

 

 

ただ、分からないのであれば「自分は理解するのに時間がかかる」ということを潔く受け入れ、腰を低くして教えを乞えば良いだけの話なのだが、それは本人のプライドが許さない。

 

 

 

 

そしてプライドが高いが故に、それに見合った自分の理想像(物事を瞬時に理解できる教養豊富な老紳士)と現実(スマホプランさえも理解できない老人)とのギャップを受け入れられず、店員や職員に八つ当たりしてしまうのだろう。

 

 

 

従って、説明中の店員の話を怒りながら聞く老人は理解能力が無い自分自身に対して怒っているだけであるため、本来は怒りを鎮めようと丁寧に接客する必要なんてこれっぽっちもないのである。

 

 

 

AIがこれだけ進化している時代において、そのような面倒な老人の相手こそAIやロボットに対応してもらう方が従業員の労力と時間を無駄にしないで済む気もするが、キレ老人がディスプレイをぶっ叩いてAIを壊してしまうかもしれないので、導入は難しいところだ。