日本で自己責任論は毛嫌いされる傾向が強い。

 

自己責任論とは簡単に言えば「貧しいのは自分のせい」という理論であり、経済学の新自由主義とほぼ同義である。

 

 

 

僕は基本自己責任論に賛成だが、その理由は自己責任論反対派から論理的な反対意見を聞けた試しがないからである。

 

以下は、Yahoo!知恵袋で見つけた「自己責任論は何が悪い?」と質問した人への回答だが、要約すると

 

1. 学力レベル的に私立高校なら行けたはずなのに、お金に余裕がないため進学できず、結果その人は中卒になってしまう。これは自己責任ではなく環境が悪い。

 

2. コロナで職を失った人は自己責任ではない

 

3. コロナが無ければ就職できていた人が就職できない=コロナのせいであり自己責任ではない

 

4. 生活保護制度がある時点で自己責任論は破綻している

 

との主張が展開されているが、なぜ質問者はこれで納得できたのか理解に苦しむ。

 

 

まずは

1. 学力レベル的に私立高校なら行けたはずなのに、お金に余裕がないため進学できず、結果その人は中卒になってしまう。これは自己責任ではなく環境が悪い。という主張から。

 

「勉強をしたが、偏差値55までしか上がらなかったという場合、中卒になるしかないわけです」と書かれているが、なぜ高校に進学できない=中卒になるしかないという結論になるのか・・?

 

日本には高卒認定制度があり、このテストに受かれば高卒扱いになるため、高校に行けない=中卒というのは考えが浅はか過ぎる。

そして、こちらのテストは文字通りクソ簡単であるため、軽く勉強すれば誰だって取れる資格だ。

 

半年くらい勉強して早々に認定をとり、残りの期間で受験勉強しそこそこの大学に奨学金を借りて進学すれば良い。

 

実際僕が通っていた高校には、高一で高校を辞めて高卒認定を取り、あとは2年間家で勉強して早稲田大学に進学した奴がいた。

 

このように、工夫次第でいくらでも道は開けるのにも関わらず、環境のせい、親のせい、お金のせいにして逃げている時点で自己責任なのではないか。

 

 

 

 

次に2. コロナで職を失った人は自己責任ではない、について。

 

コロナで職を失った人がいる反面、コロナで職を失っていない人だってたくさんいるわけであり(むしろこちら側の人の方が多い)、感染症が拡大しただけで無くなってしまう程度の職に甘んじていたことが自己責任でないなら一体なんだというのか・・。

 

コロナはただのきっかけであり、別にコロナでなくとも何らかの理由でリストラ食らってた可能性なんて大いにある。

 

「この職は安定していないから些細なきっかけで職を失うかもしれない。今のうちに資格でも取って転職しよう。」くらいは誰だっって考えられるはずだし、さまざまなリスクを考慮し安定した職に就く努力を怠った自己の責任である。

 

リストラされても自己責任でない場合というのは、戦争や国自体が滅亡して難民になってしまった場合など、自己の努力では本当にどうしようもない場合のみであり、コロナ禍においても以前と同じように職務に励んでいる人が大勢いる手前、残念だが自己責任である。

 

 

 

 

3. コロナで就業定員100人だったのが50人に絞られ、コロナが無ければ落ちた50人は本来採用されていたため自己責任ではない,

という主張に関しては、読んだ時僕の頭の中が疑問符で埋め尽くされた。

 

確かにマクロ環境のせいで定員が絞られてはいるが、見事採用された50人だって同じ条件で競争していたわけであり、その競争に負けた=自己の経歴が他者と比べて劣っていた=自己責任ということになるはずなんだが・・・。

 

この回答者は、

〇〇が無ければ俺だって成功できる。

〇〇のせいで失敗したんだ。

というように、責任を自分以外の何かになすりつけて逃避してしまう人の典型例で、何かのせいにせず現実を見て自分が高みへ登れるように努力するというのは中学生で教えられることだが、この回答者は小卒なのだろうか・・?

 

 

 

 

4. 生活保護制度がある時点で自己責任論は破綻しているという点について、生活保護というのは就業することが困難な人=努力ではどうしようもない病気や怪我を患っている人のための補償であり、働きたくても働けない人がもらう権利がある制度である。働けるにも関わらず職についていない人に生活保護が支払われることは基本無いく、失業中にお金を支給してもらえるのは失業保険に入っている場合である。

画像ではカットしているが、質問者も「病気で働けない人は自己責任論の対象から除外する」と書いているため、回答者のこの話は論点がずれている。

 

 

 

 

 

 

 

これ以外にも、例えば「賃金を上げろ!!賃金が低いのは政府の方針のせいだ!!」とデモばかりやっている人にしても、収入をあげたいなら資格の勉強に励んで少しでも給料のいい企業に就職する努力をした方が建設的だし、そもそもデモをやる時間があるならその時間をバイトにでも当てて少しでもお金を稼いだ方がいいのでは・・?

 

 

 

このように、自己責任反対論者の意見は突き詰めていくと「それって結局自己責任ですよね」で終わる。

 

 

血も涙もない冷たい理論であるため嫌な気持ちになるのは分かるが、結局、自分の人生は自分で切り開くしかないということなのだろう。