熟練した庭師のなんと巧みなことか

これは見事な花時計

天から注ぐ優しい陽光が

花の香る 黄道十二宮を駆けぬける

勤勉に働くミツバチたちも

人と同じように時を見る

これほど甘美な時間を 花時計なしに

どうして刻むことが出来るだろう

アンドリュー・マーベル「庭」(1678 年)

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18世紀の中頃、花の1日の活動(開花や閉花の時間)に着目した時計がありました。

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スウェーデンの植物学者、カール・フォン・リンネが考えた「リンネの花時計」と呼ばれるものです。

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植物が毎日決まった時間に花を咲かせたり、しぼんだりすることに気づいたリンネは、特定の時間に開閉する複数の植物を利用することで、時間を正確に示すことができるのではないか?という仮説を立てます。

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そうして作られた花時計の中には、午前6時から正午までは「開花」する花を、正午から午後6時までは「閉花」するが配置され、1時間ごとに2種類の花が選ばれています。

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すでに想像がつくように、花の開花や閉じる時間は、ある程度の規則的リズムはあるものの、多くは天候や季節の影響を受けるため、時計の精度は決して高いものではありません。

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しかし、そうと気づいていても植物の魅力に取りつかれ、植物の呼吸に合わせて時を刻むことを試みた、先人の好奇心と探求心には、まったく驚かされるばかりです。

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さて、いまごろ目覚めた花は誰かしら。今日もいちりんあなたにどうぞ。

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ラナンキュラス 花言葉「晴れやかな魅力」

ボタン、レウィシアの画像のようです

~花以想の記~