もう何度も観ているDVDなのに、同じように引き込まれてしまいます。
第13回と言えば、辻井伸行さんが優勝した年です。
辻井伸行 世界が感動した奇跡のコンクール・ドキュメント/辻井伸行

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ファイナルで名前がコールされた瞬間、彼の体がビクッと反応して、次の瞬間には勢いよく立ち上がるんです。
失礼を承知で言うなら、小学生の男の子が「はいっ!」とお返事をして立ち上がるような(笑)。
ファイナリストは辻井さん含めコンペ慣れしている猛者ばかり。
辻井さんと1位を分け合ったチャン・ハオチェンや2位のソン・ヨルムは颯爽とかっこよく壇上へ上がっていきます。
視覚障害を持った青年の優勝ということで、コンペの話題を一気にさらっていった辻井さん。
個人的には同着1位のチャン・ハオチェンがやや気の毒な気もしていましたが、彼はたぶん放っておいても世界的に活躍するピアニストになっていくでしょうから、大丈夫です。
(演奏がクール過ぎるような気もしましたが・・・)
ドキュメンタリーは辻井さん以外のピアニスト達のこともよく捉えていて、各々がピアノと向き合う姿がとても印象的です。
登場するピアニストは皆、ルーツも違えば、演奏スタイルも違うし、自分の個性を持っていて、それをピアノにぶつけながら勝ち上がっていく姿は、コンペの緊張感やプレッシャー、また次に進むのがいかに難しいかということを良く表していて、とても興味深いです。
優勝直後に辻井さんのお父様が取材に対し、こう言っていました。
「『盲目のピアニスト』とか『盲目の』と付いているうちは、ピアニストとして一人前じゃない。」
優勝についても「まぁ、運が良かったということですかね・・・」なんて言われていましたが、淡々としながらもとても嬉しそうにお話されていたのが印象的でした。
褒めて伸ばすお母様と、絶妙のバランスを感じます。
そうそう、TVで見たと思うのですが、私が辻井さんにノックアウトされてしまった瞬間というのがあって、それはこういうシーンでした。
小学生くらいの彼が原っぱに咲いている一輪のたんぽぽを両手で触っていて、声をかけられるんです。
「わかる、たんぽぽ?」
それに対して小学生の彼はこう答えます。
「ハイ、きれいです。」
つい昨日、素敵な動画を見つけたのでご紹介したいと思います。
辻井さんが初めてチャイコのコンチェルトに挑戦した後のアンコールの模様のようです。これもTVで放映されたものでしょうか?
このときの指揮は、彼が優勝したときのコンペの審査委員長を務めたジョン・ジョルダーノ氏です。
オケの皆さんもうっとりと聴いています。
にっこり顔で聴く人、目を閉じて堪能する人、うるっときてる人、チェロのおばちゃん(笑)・・・反対側ですもんね、わかります。
ピアノを前にして少しだけ「何を弾こうかな~?」と嬉しそうに思案する辻井さんがかわいいですね♪
ドラマチックなチャイコの後で、こんな曲を聴かされたら・・・そりゃ参っちゃうでしょう。
はぁ♪